【大学】ユニバーサルデザイン講義?第1回目

大学でのユニバーサルデザインの講義の第1回目であります。これから全十五回の講義を行い、それを4つのパートに分けて解説する予定です。

最初のパートとしてユニバーサルデザインの概念や歴史、それらの背景を解説しました。私の受け持つ学生は1年生なので、Webアクセシビリティなどの細かいテクニックを教えるよりは、なぜそうしなければならないか、根本的な部分をじっくり説明していきたいと思っています。

特に初回はデザイナーとしての心構えとして、対症療法的なバリアフリーの問題点を指摘し、根源的な問題解決としてのユニバーサルデザインの重要性を訴えましたよ、もうかなり熱く。

国際福祉機器展

数年ぶりに国際福祉機器展(HCR)に出かけた。仕事の合間に出かけたので隅々まで見ることは出来なかったが、それでもここ数年の変化は十分感じ取れた。

まず大きく感じたことは、数年前に比べユニバーサルデザインを取り扱う企業の数と規模が増えたことです。TOTOやTOYOTAはもちろん、それらの競業企業がいずれれも大きくUDを掲げていたことである。

そしてそれらの企業が、なかなかのおねーちゃん達(^^;を取りそろえてキャンペーンをやっていたことに、あぁ世の中変わったなぁとゆうことを感じたのでありました。

福祉機器展

UDの認知度

明日からユニバーサルデザインの講義を始めることになっているのだけれど、その前に受講する学生にユニバーサルデザインがどれだけ知られているかアンケートを取ってみた。

最近の大学はITが便利に使えていいね。教育用のグループウェアが用意されていてその中にアンケート機能を使えば告知からカウントまで全て自動でやってくれます。

夏休みの間に実施したため(大学は今週から始まったから:羨まし)、有効回答率は50%だが、なかなか興味深い回答が集まった。

まず、UDという言葉を知っているかという質問には、半数の学生が「聞いたことがある」、あるいは「知っている」と答えた。しかしこの講座がキッカケで知った学生もかなりの数がいる。CMで結構やっているからもう少し知名度は高いかと思ったんだけどねぇ。

次に身の回りで困った経験はあるか? という質問には、半数が「ない」と答えており若いってすばらしいと思ってしまった(^^; もっとも「ある」と答えた場合には具体例を書かせたので、面倒だったのかも・・・。ちょっとバイアスがかかってるかな。

最後に講義での要望を聞くと、情報系の学科なのでコンピューターやWebに関するものが多かったので、目的は達せられそうだ。他にも実技をやって欲しいというリクエストももらったのだが、予想外に参加者が多くてこちらは少し工夫しないとちょっと無理そうです。

NPO関係者のBBQ

以前参加したNPO活動に参加する若手の集まりの会で、BBQをすることになり多摩川まで行ってきました。

参加者はAidsの啓発キャンペーンをしている人、環境保護、アースデイの事務局スタッフや、この前の選挙で注目された10代の模擬選挙を進めるグループなど様々・・・。

自分自身はすっかりそのような活動から遠ざかってしまったのだけれど、仕事がユニバーサルデザインのコンサルティングという、いわばソーシャル・アントレプレナーに近い立場にあるので、他の参加者の話はとても参考になるし、楽しかった。

それぞれに問題意識を持ち、活動を続けていくことの楽しみや苦労みたいな話を聞くと刺激を受けるね。まだ日本の市民活動はこれからという状況には違いないけれど、気負った様子もない彼らと話しているとなんだか楽しくなってきた。

バーベキューの風景1 バーベキューの風景2

【読書】適正技術

適正技術という言葉がある。これは人間の使いこなせる技術という意味で社会や環境に対して負荷のかからないものである。

これを実践している人をたまたまテレビで見た。 その人は藤村靖之といい、電気を使わないでも動作する製品を作る発明家であった。藤村氏の作る製品はいずれも電気を使わずに物理現象を応用してものを冷やしたり、動かしたりするものであった。今はモンゴルで放射冷却の原理を応用した電気を使わない冷蔵庫の開発をおこなっている。

現在の科学技術は、核のように時には人類が制御できないようなオーバーテクノロジーであったりする。核ではなくても電化製品や化学製品は、一時は快適な生活をもたらしてはくれたが、その実、ゴミ問題や環境汚染などの予期せぬ問題を引き起こした。こられは人類の制御の範囲を超えたものであるとすれば、全てオーバーテクノロジーであると言える。

藤村氏の発明はこれらに対して、自然の原理に基づいたものであり、我々のコントロール可能な範囲のテクノロジーである。このようなものを正に適正技術というのであろう。

ユニバーサルデザインを考える時に、日本の状況だけを考えずに国際的な問題を見つ、適正技術を選定することが重要になる。日本はこの分野でリーダーシップを担う立場にあるのだから、日本の都合だけではなくこの適正技術の思想を持って、各国と付き合うべきであろう。

藤村氏の著作

エコライフ&スローライフを実現する愉しい非電化
藤村 靖之
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