新潟出張

 26日、27日と新潟に出張してきた。今回の目的はアクセシビリティ研究会の今年度のテーマである、災害時の情報アクセシビリティについてだ。

 出張先が新潟なのは、もちろん中越地震の際の状況をヒアリングするためだ。先月に開催したアクセシビリティ研究会でも新潟知事自らに当時の状況を語ってもらったが、現地で障害をもつ人がどのように対応したかを、直接聞きたかったのだ。

 県庁の職員で、我々研究会のメンバーでもある市川さんに全面的に頼ったスケジュールで、訪問やヒアリングは完璧。貴重なお話しをたくさん聞かせていただいた。この話は今年出版される予定の書籍に詳しく書かれることになるだろう。出版の予定についてはまた別途報告いたします。

 それにしても新潟のお酒はおいしいですね(^^;

 

TANITA:バイブレーション付きタイマー

 アマゾンをぶらぶら見ていて発見。
 バイブレーション付きのタイマーを一般製品の中に見つけるなんて! ちょっと嬉しくなってしまった。写真の通りデザインもなかなか美しく、違和感を感じない。これぞユニバーサルデザインだ。
 なぜバイブレーション付きのキッチンタイマーがユニバーサルデザインなのかというと、聴覚障害の方にとても便利だからである。ヤカンを火にかけたのを忘れてしまっても、このタイマーを湯が沸く頃の時間に仕掛けておけばバイブで知らせてくれる。同様の製品は福祉機器として見たことはあるが、これは一般製品だ。きっと、寝ている赤ちゃんの横でも使えるようにというニーズに注目して開発されたのだろう。
 障害に注目するのではなく、ニーズに注目した開発がユニバーサルデザインの成功の鍵なのだ。
 もう一つ嬉しいことは、この製品のカスタマーレビューにある。そう、時間の感覚を博しにくい自閉症のお子さんがに便利に使っているという書き込みだ。タイマーにバイブを付けるだけでみんながこんなに幸せになれるなんて、デザインて楽しいね。
 
 
TANITA バイブレーションタイマー24時間計 クイック TD-370
タニタ (2000/04/01)
売り上げランキング: 288
おすすめ度の平均: 5

5 学習に使うならこれです
5 バイブレーターが付いていて、とても便利です。
5 自閉症の息子の見通しのためにぴったり!

【記事】ウェブサイトのアクセシビリティで裁判–米の視覚障害者が提訴

CNET記事:ウェブサイトのアクセシビリティで裁判–米の視覚障害者が提訴

 アメリカでまたWebサイトのアクセシビリティが低いことを理由に裁判が起っている。以前から航空会社を相手にWebアクセシビリティ関連の訴訟が起っていたが、今度は小売業者だ。

 アメリカの法律でWebアクセシビリティを義務づけているのは、リハビリテーション法508条だが、これが適用されるのは連邦政府とその関連のサイトに限られる。航空会社が訴えられた時は、ADAと呼ばれる公民権法に違反しているからだという理由からだった。ADAでは公共交通機関のバリアフリーが義務づけられており、視覚障害者がWebからチケットを買えないのは、これに違反しているとしたのが訴訟理由だったと思う。ただし、この裁判ではADAがサイバースペースにまで適用されるか疑問視されており、勝訴の望みは薄いらしい。

 今回の場合は、カリフォルニアの2つの州法(The California Unruh Civil Rights Act and the California Disabled Persons Act)に違反していることから訴えられたものである。ADA同様、これらの法律がどれだけWebに対して影響力を持つかは疑問だが、訴えられた小売業者も前向きな対応を見せており、私は最終的に和解になる可能性が高いと見ている。

プレイング・イン・ザ・ダーク

 数日前のエントリーで「ダイニング・イン・ザ・ダーク」なる、暗闇の中での食事を提供するレストランを紹介したが、同じような名前のサイトを見つけたので紹介します。

 プレイング・イン・ザ・ダーク

 ダインニング・・・が目の見える人に対するレストランであるのに対して、プレイング・・・は目の見えない人に無料のオーディオゲームを提供するWebサイトだ。

 オーディオゲームとは、音声音響とキーボードだけで操作できるゲームで、このサイトからは迫力あるエキゾーストノートが心地よいレーシングゲームがダウンロードできる。

 このようなオーディオゲームは海外では結構楽しまれているようで、Hotwierdでも紹介の記事が書かれていた。

 眼が不自由でも楽しめるゲーム、種類が増え高品質に

 日本では、「スペースインベーダー フォーブラインド」というのが発売されている。一般の人に馴染みのあるオーディオゲームとなると数年前になるが、あの飯野賢治が作った「リアルサウンド~風のリグレット」もだろう。続きが出ないのが残念。

【講演】災害時のアクセシビリティ

C&C財団の後援で研究している災害時のアクセシビリティについて、今年度の研究結果を発表することになりました。

http://www.ict-accessibility.jp/sympo.html

 私の報告は昨年11月に参加したアメリカはワシントンでのカンファレンスの模様。この昨年8月に大きな被害を与えたハリケーン・カトリーナのときの政府の対応などについて説明することになった。

 いつものごとく、我々の冗長になりがちな話をスパスパとまとめる山田先生の名司会は一品。ゲストの新潟の泉田知事の知事就任直後に起った震災対策の話は、まるで人気ドラマ「24」のように緊迫感のある一級のドキュメントでありました。