Google SketchUp と まちづくり

 最近Googleに買収され、無償公開されるようになったSketchUPという3Dモデリングツールがある。このツール、とにかく簡単にモデリングできるのがウリで、まるでスケッチを描くように直感的に3次元モデルを作成できるのだそうだ。

 更にもう一つの大きな魅力は、作成した3DモデルをGISであるGoogle Earth上に合成して表示できるのだ。建築モデルを描いて、それを航空写真の上に貼り付けることが出来る。航空写真は無理だが、3次元モデルなので斜めから建物をみて、周りの景観とマッチするかなどが確かめることが出来るのである。

 街作りのワークショップなどでは、様々な立場の人の意見を聞くことが必要になる。建築計画の妥当性を推し量るために、紙のモデルを作ったり、実際の建築現場に出向くなどの作業が必要であった。

 このソフトでは、そのような将来を予測検証する作業をずいぶんと楽にしてくれるだろう。

 

SketchUpの魅力に迫る – 3Dモデリングにスケッチ工程を生み出した意義 http://journal.mycom.co.jp/articles/2006/05/30/sketchup/003.html

 

まちづくりデザインゲーム
佐藤 滋
学芸出版社 (2005/03)
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【読書】自分の仕事をつくる

 天気の良い昼下がり、長らく懸念事項だった台所のガス台と換気扇をピカピカにした後に、ビールを片手に読み始めた本が、西村さんの「自分の仕事をつくる」だ。語り口がやさしいので気軽に読める本であるが、内容は深い。

 西村さんにはワークショップフォーラムなど、何度か会ってお話しする機会があったがまとまった著作を読むのは初めてだ。いくつかのトピックは話の中で触れられていたが、こうして読むとまた違った視点で読める。

 西村さんが様々な職業の人に対して、仕事観や生活観をインタビューする形式で書かれているのだが、そのインタビューの過程で明かされるそれぞれの考えが面白い。 

 主にデザインに関わる仕事について語られているのだが、自分の仕事をつくるということは全ての人に関わる問題だろう。働き方を考えることは、そのこと自体がクリエイティブなのだと思う。機械のようなルーティンワークをこなしている時だって、働き方次第でそこに新たな発見があるのだと思う。

自分の仕事をつくる
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西村 佳哲
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【読書】夢ありき。

 Ubicompの参加のために、イギリスに出かけたときにお世話になったのが茂森勇さんです。脳性まひの彼は、確かに体は不自由でしたが 素晴らしい知性の持ち主でバークレーでコンピューターサイエンスを学び、今はロンドンの近くの街でサン・マイクロシステムズのエンジニアとして働いています。

茂森さんとイギリスのパブにて

 その茂森さんのご両親が書かれた本が「夢ありき。」お母様の子育て記と、お父様のエンジニア時代の体験がそれぞれの立場から書かれている。それにしてもパリダカで優勝した日野チームの監督だったとはね、私も優勝したときの場面はTVで見ましたよ。

 次は茂森勇さんご本人の書く自伝を読んでみたいですね。期待しています。

Engadetより3つの記事

 いつもユニークなガジェットを教えてくれるEngadet Japaneseより気になるエントリーを3つ紹介。

 1つめは「オフロード車椅子」。ワイルドなキャタピラーに萌えますね。

 2つめは「リップシンクする読唇アダプター」。電話に取り付けるアダプターで、話者の口の動きを再現する唇のアニメーションを表示する装置です。これがあれば口話が出来る聴覚障害の人には便利でしょうかね? テレビ電話と組み合わせてテレビには話者の全体を表示し、このリップシンクで口元の動きを補うようにすればいいかもね。

 3つめは「点字電子本、点字PDA」。かなり大きな面積のポータブル点字ピンディスプレイ。通常ポータブルタイプのピンディスプレイには大きさやコストの関係で1列しか配置されていないのですが、これは10列ものディスプレイが配置されています。これだけ大きいと点字以外にも触図も表示できますね。コンセプトモデルだそうですが、適切な値段で販売されることを期待します。

放浪的北京-帰国&北京のバリフリー状況

 北京より帰ってきました。大変充実した4日間でした。観光の話ばかりでしたので、ここで少し北京のバリアフリーを目に付いた範囲で書いてみます。

車椅子用のスロープ

 障害者用スロープは「无障碍通道」と書くんですね。「无」は無いって意味だそうです。障碍が無い通路でバリアフリーを意味しているのでしょうか。とあるスーパーの入り口付近に設置してありましたが、写真で分かるように柵がかかって閉じられておりました。

点字ブロックの上に駐車

 北京の街中は外国には珍しいく、点字ブロックが敷き詰められています。ブロックは黄色い4本線で、日本と同じようなものです。ただ、このブロックも写真のように路上駐車の自動車(自転車ではない)に遮られて意味をなしていないのが残念。

地下鉄13号線 プラットホームに用意された障害者用エレベータ

 北京には現在、4本の地下鉄が走っています。写真の駅は13号線の知春路駅です。この13号線は比較的新しい路線だそうで、設備も新しいです。他の鉄道の改札が人手に頼っているのに比べ自動改札が導入されているなど機械化が進んでいます。 障害者向けのエレベーターもプラットホームの端に用意してあって、乗車口までの点字ブロックも敷き詰められています。

シルバーシート?の表示

 地下鉄の中にあったシルバーシート?の漢字表記です。老幼病残孕*座と書くのですが、漢字が一つ表示できないので写真を確認してください。老が老人、幼が幼児、病が病人、残が残疾人で、孕が妊婦さんの事ですね。漢字1文字で伝えてしまうところが凄いのですが、もともと漢字は象形文字が起源ですから進化したアイコンだと思えばいいのですね。

 まだまだ中国のバリフリー状況はこれからのようです。オリンピックに向けて急速に整備しているそうですが、果たして間に合うのか? 電車に乗るときに人が降りるより先に我先に乗り込んでくる人達を見て、まずは住民の意識改革が必要なんじゃないかと思います。