出生率の低下と初婚率の上昇

先日のニュースで、最新の人口動態が発表された。

2055年 人口9000万人割れ(東京新聞:12月21日)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061221/mng_____sya_____005.shtml

 日本の総人口は今後一貫して減少を続け、約半世紀後の二〇五五年には八千九百九十三万人になるとの「将来推計人口(〇六年十二月推計)」を、厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所が二十日、公表した。五五年の六十五歳以上の高齢者人口は三千六百四十六万人で、総人口に占める割合は40・5%に達するなど、少子高齢化に歯止めがかからない状況が浮き彫りになっている。

 少子高齢化は、年金など政局にも大きく影響を与える重要な問題で、現状を維持するために出生率の上昇などを促す政策がなされているが、焼け石に水の状態で一向に効果が上がらない。

 このニュースが発表された数日後にこんなニュースが報道された。 

20代後半の女性初婚率5年ぶり上昇(東京新聞:12月24日)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061224/mng_____sya_____007.shtml

 二十五?二十九歳の女性の初婚率が、二〇〇五年は五年ぶりに上昇に転じたことが二十三日、厚生労働省のまとめで分かった。同省は「少子化の一因である女性の未婚化に変化が見られ、今年の出生数回復に結び付いた」と分析している。

 記事では詳しく説明されていないが、5年前に20代後半だった女性は、団塊の世代が産んだ子供達、いわゆる「団塊Jr.」と呼ばれる層で、突出して人口の多い世代である。引用したグラフを見ていただければ分かるが、2005年現在、20代後半女性と30代前半女性の人口比は非常に大きい。

人口ピラミッド

2005年の人口ピラミッド(国立社会保障・人口問題研究所より引用、グラフ中の赤線は筆者加筆)
http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/2005.gif

 このように5年前と比べると圧倒的に人口が減っている人口層で初婚率が上昇しても、全体でみた時の初婚数は増えたのだろうか? 母数が大きく減ったのだから割合が少し増えても、実際に結婚したカップルの数は減ったことになる。だからそのまま今後の出生数の回復に結びつくというのは、ロジックとしておかしい。結果として厚生労働省の発表は、先だっての人口減少予測の報道に対する印象操作のように思われる。

  少子化は重要な問題だが、いまのまま出生率が大きく回復することは難しいだろう。そろそろものすげー改革をするか、人口が減っても豊かに暮らせる政策を考える時期に来ているのではないだろうか。

Skypeのチャットが読み上げに対応

ITmedia Biz.ID:Skypeのチャットを音声読み上げする方法
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0612/21/news054.html

 上記の記事で紹介されていたエクストラ(点訳ソフトじゃないですよ)を導入することによって、SkypeChatの文字を読み上げることが出来るらしいです。

 ちゃんと日本語にも対応しているらしく、スピーチエンジンのダウンロードもSkypeから出来るらしい。記事中の写真では音声エンジンはL&Hを使用している模様。

 視覚障害のかたは、Skypeで会話を楽しんでいる人が多いと聞いているので、読み上げに対応した機能が増えたのは嬉しいが、Skype本体の読み上げが今ひとつなので今後のバージョンアップに期待したいですね。

【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第11回

 本日は、先週の講義の中で作ってもらったマイクロシナリオを使ってユニバーサルデザインマトリクスを作成するワークショップを実施しました。

 出来た結果を見せてもらうと、各グループで出来具合にかなり大きな差が出てしまいました。昨年のクラスでは平均的に出来ていたのですが・・・。

 昨年の講義との違いは、シナリオを講師の方から提示したこと。マトリクスを書き起こすときに、シナリオが整理されていないとうまく項目を埋められないことが分かったので、次回やるとしたら、シナリオを整理する作業を加えることが必要なのだろう。

ユニバーサルデザイン実践ガイドライン
日本人間工学会
共立出版 (2003/06)
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歴史は繰り返す?ネットコミュニティの変遷?

 上場して更に有名になったSNSのMixi。ご多分に漏れず私も利用している。加えて私が所属している学校の関係者だけに限ったSNSも先日オープンし、毎日利用者が増えているようだ。

 不特定多数が参加するインターネットの中で、知り合い同士の安心かで気軽にコミュニケーションが取れるSNSに何とも言えないデジャブを感じるのは、そこにパソコン通信時代のフォーラムやBBSが重なるからだろう。差し詰め大手のMixiは、パソコン通信でいうNiftyやBiglobeにあたるのだろう。プロバイダーが運営するサイトだから、IDの管理によって素性が割れるためにある種の安心感がある空間はMixiの持つ雰囲気にとても近いものだと思う。

 学校関係者で運営しているSNSは、草の根BBSに似ている。地域SNSなんて、そのまんまって感じ。あの頃はダイヤルアップで接続していたので、ネットであっても距離感というものがあった。普段は市内局番でつなげられるBBSホストに接続し、東京など離れたホストに接続するときには電話料金が安くなる深夜を待ち、マクロで書き込むなどの工夫をして接続時間を短くする工夫をしていた。

 コミュニティのプラットホームは変わったが、我々が求めているコミュニケーションへの要求はそれ程変わっていないのかもしれない。

 もっと大きな歴史で見れば、インターネットだって創設時には大学や研究所など、特定の人しか参加出来ないクローズドな社会だったの。研究者やエンジニアといった同じような思考・嗜好の人が集まる村社会的な空間だったのだ。開放され巨大化していくその内側に、新しい空間が生まれていく。

 その流れはMixiの中でも現れているはずだ。私も加入したときは興味本位で様々なコミュに登録したが、情報量の多さから幾つかのコミュニティに絞っていった。今ではある程度固定化した空間に参加しているだけである。やはり人間の処理できる情報量によって、ネットの中のコミュニティの大きさが決まるのだろう。

 ITの進化によって、次はどんなコミュニティが誕生するかが楽しみだ。そこで私は何を書く(話す)だろうか? きっと今とあまり変わりがない話題なのだろう。しかし、勝利能力が向上した私がコミュニケーションする相手は飛躍的に増え、新たな結びつきが生まれるに違いない。

王様はDyslexia

 スウェーデンの現国王であるCarl XVI Gustafは、実はDyslexia(難読症)なのだそうです。そんな話しを聞いたので検索したところ、Wikipediaにこんな記述を見つけました。

Dyslexia For many years, it was widely rumoured that the king had dyslexia. Journalists noted that he misspelled his name when signing his accession document, and in 1973, when visiting a copper mine in Falun, he misspelled his name when signing it on a rock wall. In an interview on Swedish television in 1997, however, the condition was admitted publicly when his wife addressed the issue. “When he was little, people did not pay attention to the problem,” she said. “He didn’t get the help he needed.” She also noted that the couple’s children have “a bit of” dyslexia themselves.

Carl XVI Gustaf of Sweden – Wikipedia, the free encyclopedia より
http://en.wikipedia.org/wiki/Carl_XVI_Gustaf_of_Sweden

 スウェーデンでは早くからDAISYなどのデジタル録音図書などを作成していましたが、このような事も背景にあったのでしょうか? ま、Wikipediaの記述を見るとなかなか認めなかったそうなので、他の要因が強いのでしょうね。