【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第13回

 今期最後の講義です。

 本日の課題はペーパープロトタイピング。ソフトウェアの画面インターフェースを設計する際に用いるテクニックの一つで、早い段階で画面デザインの問題点を把握することが出来ます。

 簡単にペーパープロトタイピングの概要を説明した後、実際にプロトを作ってもらうことにしました。

 課題は歩数計のGUIで、1日の歩数の表示とカロリー計算の入力画面インタラクションを作ってもらいました。歩数計の設計なんて始めただろうけれど、意外とみんないいデザインでしたよ。

最終回なので、まとめに一言。

 人間の多様性を理解することがユニバーサルデザインの第一歩。そのためにはいろいろな人と友達になるのが近道。いつか何かを作るとき、その友達の事を思い浮かべることが出来れば、自ずと多様性が反映されたものに仕上がるはず。

半年間授業に参加してくれてありがとう。お疲れ様でした。

ペーパープロトタイピング 最適なユーザインタフェースを効率よくデザインする
Carolyn Snyder 黒須 正明
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【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第12回

今日の講義ではユーザーインターフェースのプロトタイピングについて解説。
その解説の前に、学生に簡単なワークショップをやってもらいました。

Workshop:Spaghetti Cantilever

  • どれだけ長い「片持ち梁」を作ることが出来るか? その長さを競う
  • 使っていいのはパスタ20本とスコッチテープ1mだけ
  • 制限時間は20分

制約条件の中で、いかに創造性を発揮できるかがポイントです。

このWSはもともとスタンフォード大学の工学部1年生向けに開発されたモノで、クリエイティビティを伸ばす目的があるそうです。
http://www-cdr.stanford.edu/observatory/designprojectsarchive/design_projects/cantilever.html

 今回はこのWSを通じて、短期間にモノを作るときの心構えのようなものを感じてもらえればよかったのですが、伝わったかな?

 ちなみに1位のグループは59cmの片持ち梁を作ることが出来ました。来年は1mを超えるグループが現れてくれることを期待します。

パスタを並べる学生さん パスタをつなげる学生さん

【読書】「人口減少経済の」新しい公式

 過日のエントリーで人口減少について書き込んだが、その時に人口が減っても豊かに暮らせる政策を取るべきと書いて締めくくった。その事についてまとめたよい本があったので紹介する。

「人口減少経済」の新しい公式―「縮む世界」の発想とシステム
松谷 明彦
日本経済新聞社
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日本海重油流出事故から10年

ナホトカ号事故:10年後も油まじり砂5千トン残る 石川 (MSN-Mainichi INTERACTIVE)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/p20070105k0000e040075000c.html

 ナホトカの事故から早10年。懐かしいような気持ちもあるが、まだ油が残ってたのね。

 当時の僕は春休みを利用して、事故から1ヶ月後に現地入りしてボランティアをしていました。テレビで見たような海を覆う大量の重油は既に取り除かれてはいたけれど、岩や砂にこびりついたコールタールのような固まりは、バキュームで吸い取れるようなモノでなく人手でコツコツ取り除いていた。

 既に本部が立ち上がり作業や物資、人手の手配などがボランティアスタッフの手によって運営されていた。本部とは言ってもボランティアの集まりで、なかなか長期に運営を手伝える人は少ない。1週間もいるとすぐにリーダーとして働くことになる。

 この現場で僕はボランティア本部のWebサイト作成を担当することになった。理由は単にキーボードが打てるから(^^;
 まだHTMLなんて1つも知らない状態で、参考書の例文を見ながらページを作っていった。ボランティア本部のページは当時としては驚異的なアクセス数で、その影響力も非常に大きかった。不足している物資を書き込むと翌日にはトラックで運ばれてきたりする。しかし作業状況の変化によって必要な物資は異なり、すぐに情報を更新しないと要らない物資がたくさん届くことになる。この時の経験がインターネット業界に入ったキッカケなのかもしれない。

ボランティア本部前ボランティア本部受付インターネット作成チーム解散式