【読書】認知のエイジング 入門編

 認知科学に関する書籍は多くあるが、高齢者の認知特性や加齢による変化などをまとめたものは、これまでは学会の論文等しかなかった。

 本書では、高齢社会に必要な高齢者の認知に関してまとめた専門書である。

 一般に年を取ると誰でも身体的な能力が落ちる。認知を司る脳の機能もまた然り。ただ、脳の機能は均等に衰えていくわけではなく、バラツキがある。そのような脳の仕組みを知ることによって、高齢者向けのインターフェースを考えるときの参考になるだろう。これまではインターフェースを単純化するだけしか方法がなかったものが、高齢者の認知特性を考えることによって、更に分かりやすくする工夫につながるだろう。

 入門編と銘打ってはいるが、専門書なのでそれなりの知識を要求されるが、訳が良いので分かりやすい。応用編、発展編などの出版を期待する。

認知のエイジング 入門編
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北大路書房
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4 老年学、認知心理学を勉強する人におすすめ!