新市場の開拓をメインに据えたブルー・オーシャン戦略の解説書。煽りは魅力的で内容も面白く読み物としては十分楽しめる。新規市場に対する考え方は、実はユニバーサルデザインの考え方に非常に似ているものを感じた。ブルー・オーシャン戦略の言葉を借りて言えば、ユニバーサルデザインは、これまで市場の外にあると考えられていた障害者や高齢者に対して、「市場の境界線」を引き直すことである。そのために、シンプルで使いやすい製品を開発していくことは、「バリュー・イノベーション」を引き起こすことにつながる。
他に参考になったのは後半の、組織のモチベーション管理の解説。ステイクホルダーをどのように戦略に巻き込んでいくかについての部分だ。企業の中でユニバーサルデザインを実施していくのは、実際おなじような問題にぶつかることが多い。トップがUDの価値を理解しても顧客との接点であるフロント部隊が理解していなかったために、顧客に間違ったメッセージを伝えてしまうこともある。逆のパターンもまた多い。
時間がなくて手っ取り早く読みたい人はポケット図解を読むだけでも十分に役立つと思いますよ。
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