【読書】ジェロントロジー―加齢の価値と社会の力学

 日本語で老齢学と訳されるジェロントロジーの解説書。加齢に伴う生理的、社会的な変化を幅広いトピックで分かりやすく解説しており、この分野の勉強をはじめる最初に読む本としてお勧め。

 エンジニア的な視点で高齢問題を考えると、生理的な側面に目が行きがちだが、本書の第1章で真っ先に否定されている。

老化現象を考察するために用いられる科学は生物学や医学が一般的で、身体的な低下が強調される。しかし、大事なことは身体的な低下ではなく、「人間」としての視点でエイジングを捉えることにある。身体機能がなぜ低下しどのように衰えていくかということよりも、その変化を受けとめたうえで心理的かつ社会的にどのような態度と言動をとるべきかに着目することがより重要なのである。

 このため本書で取り上げられているトピックは幅広く、体と心の変化に始まり、政治参加や地域サービス、更に死や宗教などの広い社会問題を取り上げている。これをよめば高齢者に関わる問題に関して一通り知ることが出来るだろう。

 10版を重ねたベストセラーだけあってさすがに事例なども充実している。日本での事例を知りたくなった。

 

ジェロントロジー―加齢の価値と社会の力学
ロバート・C. アッチェリー アマンダ・S. バルシュ Robert C. Atchley Amanda S. Barusch 宮内 康二 ニッセイ基礎研究所ジェロントロジーフォーラム
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