【記事】米国政府の情報アクセシビリティ調達基準、4月に原案公表へ:ITpro

 【緊急寄稿】米国政府の情報アクセシビリティ調達基準、4月に原案公表へ:ITpro

  東洋大の山田先生の寄稿記事です。現状を把握するのに丁度よい記事です。アクセシビリティ関係者必読の記事ですよ。

 米国では2001年より、リハビリテーション法508条に基づく技術基準によって、連邦政府の情報通信機器・サービスを調達する際には、障害者も含め誰もが利用できる要しなければならないという制限を設けている。利用できない場合には、調達の担当者は訴訟されることになるのです。

 この調達基準について、今、改訂の作業が進んでいる。情報通信はムーアの法則にしたがって技術が進歩していく。2001年の基準はもはや古臭くなってしまったからだ。

 この数年で情報機器は様変わりしました。2001年当時(基準を作るには時間がかかるので90年代の末期。と言うことは10年前)のITの状況を今と比べてみれば、CPUの速度もメモリ容量も勿論大きく変ったのですが、一番変化したのはメディアや機器の複合化でしょう。テキストや画像しか扱えなかったWebには、ブロードバンドが導入されて動画情報などが増加しました。事務機械は単機能のコピー機やFAXから、それらの機能が合わさった複合機に進化しています。

 今までの調達基準は、ソフトウェア、ウェブ、通信機器、ビデオとマルチメディア、クロズードプロダクト(与えられたままに利用しなければならない機器)、パソコンという、製品分類に沿って作成されていた。しかし、市場にはそれらを複合した機器があふれている。そこで、製品分類ではなく機能に注目して規定を作成するという考え方が打ち出された。これが改訂案の第一のポイントである。

 単機能の製品は、それを利用するユーザーの持つ障害を、ある程度絞り込んでデザインすることが出来ます。しかし、機能が複合していくと、同時に様々な障害をもつ人を想定しなければならなくなり、デザインが難しくなるのです。

 第二点は試験可能性が強調されていること。調達基準に準拠した機器を購入したはずなのに利用できないと苦情を申し立てられる。そんな事態を避けるためには、基準を満たしているかいないかは試験できなければならない。それを意識して個々の規定案が作られていった。

 これまでの技術基準では、アクセシビリティの性能は各メーカーがVoluntary Product Accessibility Template(VPAT)を作成し、自己申告を行ってきました。しかし、それでは客観的な評価に乏しく、正しく製品を選択することが出来ないのが問題だったのです。

 情報アクセシビリティの改訂調達基準が施行されるのは、早くても2009年の夏ごろだろう。この一年の猶予の間に日本企業が改訂原案をよく勉強し、対応策を立てておけば、前回のように輸出に支障をきたすといった事態は避けられると思われる。

 つまり、米国へ製品を輸出している日本企業は、この1年で新たな技術基準を学び、自社製品を改善していく必要が出てきたということです。既に大手企業は対応のための動きが見られるのですが、おおかたの企業にとっては、まだこの法律そのものも知られていないでしょう。しかし、テスタビリティがこれまでよりも厳しくなれば、これまで曖昧にされてきた製品群もアクセシビリティを判断されることになるのです。

 私も参加する予定の、3月にロサンゼルスで開催される「障害者とテクノロジー会議」でも、技術基準改定の関係者が集まって協議が行われるでしょう。また、これに関する発表も行われるそうなので、要チェックです。

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