被災地で障害者に出会ったら

 地震の被害に巻き込まれた方の中には、障害のある人も含まれています。もし、被災地でその様な人に会ったときの心構えをまとめておきますので、参考にしてください。

視覚に障害のある人に出会ったら

 避難経路が分からない可能性があります。 声をかけて困っていたら腕を貸してあげましょう。右手に白杖を持っている視覚障害者ならば、左手であなたの右肘をつかませてあげてください。狭い道を移動する時は一列になって動けるように、あなたの右肩をつかませて誘導しましょう。

 移動の際には足下に注意するのはもちろんです。足下がぬかるんでいたりすると滑りやすいので、ゆっくり歩きましょう。気がつきにくいのは、頭上で、看板などが出っ張っていると、頭をぶつけることがあります。頭上の障害物があるときは、声をかけながら、障害物をよけましょう。

聴覚に障害のある人に出会ったら

 緊急時のアナウンスは音声でアナウンスされることが多いので、警報や情報に気がつかない場合があります。聴覚に障害のある人に会ったら、情報が伝わっているか、確認しましょう。

 避難所などで、アナウンスするときには、同時に情報を紙に書いて掲示することを心がけましょう。これは聴覚に障害のある人だけの配慮ではありません。騒々しい避難所で、情報を的確に伝えるための手段です。  アナウンスをする際に懐中電灯などを点滅させて視覚的に注目を集めると、聴覚に障害のある人も気がつきやすいです。

 聴覚に障害のある人へ、情報を伝える方法は手話だけではありません。筆談をしたり、携帯で文章を作成して画面を見せるなどの方法があります。

 口話(読唇術)ができる人には、正面を向いて、ゆっくりはっきり話しましょう。

 安否を知らせるために電話連絡が必要な聴覚に障害のある人には、代わりに話しをする手伝いをしてあげてください。電話をかける前に、要点をまとめて短時間でやり取りできるようにしましょう。

 マスコミ各社へお願い。災害情報に字幕と手話を付けてください。ラジオの情報を頼りに出来ないので、テレビだけが情報源になります。災害情報には字幕は必須です。また聴覚に障害のある人の中には、教育の関係で字幕を素早く読んで理解する事が難しい人がいます。緊急度の高い情報には手話を付けてください。

車いすの人に出会ったら

 足下が不安定で避難できない場合があります。何人かで手伝って、安全なところまで移動させてください。 毛布などで担架を作って移動させるのも緊急の時には有効です。

 避難所では、トイレが使えない可能性が高いです。カーテン等で仕切ってトイレのスペースを作ってください。

知的に障害のある人に出会ったら

 被害の状況を理解できずに、パニックになる可能性があります。避難所などで慌てていたら、心配しないでいいと声をかけてあげてください。

 人目が多いところでは落ち着かず、混乱することが多いです。カーテンや段ボールなどで、一人になれる空間を作って上げることで落ち着ける場合があります。

 状況を説明するときは、ゆっくり分かりやすく説明してあげてください。まずあなたが落ち着くことで、相手を落ち着かせることにつながります。

 感覚が過敏、もしくは鈍感な人がいます。過敏な人はできるだけ静かな場所に連れて行ってあげましょう。鈍感な人は怪我などに気がつかない場合があるので、怪我がないか確認しましょう。

 知的に障害のある人の中には、見た目で分からない人がいます。声をかけて、返事があいまいな人には、気を配ってください。

 不安からパニックになった人がいたら、ストレスを発散させる方法を考えましょう。避難所でストレスが溜まっている人もいると思いますが、事情を説明して、ストレス発散に協力してもらいましょう。ストレス解消が、避難所の平安を維持することにつながります。

内部障害の人に出会ったら

 見た目では分からない障害の場合が多いです。できるだけ声をかけて、サポートしていきましょう。

 薬など禁忌事項がある人がいます。怪我をして応急処置をするときには、禁忌事項がないか確認しましょう。