【読書】「IDEOが教える「イノベーションを生む秘けつ」 – CNET Japan

IDEOが教える「イノベーションを生む秘けつ」 – CNET Japan

デザインファームとして有名なIDEOの記事です。『イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材』の日本語訳が出版されたので、そのプロモーションかしら?

記事も大変興味深く、多少なりともデザインに関わる身としてもとても参考になります。

「イノベーションの達人!」は、イノベーションを引き起こすために必要な人材を10種類に分けて、それぞれの役割を説明しています。それぞれを大まかに分けると、「情報収集をするキャラクター」、「土台を作るキャラクター」、そしてそれらのアイデアを「実現するキャラクター」になります。なんだかRPGのキャラクターみたいで、このような異なる人材が組み合わさることによって、新しいイノベーションが起こるのだそうです。

 ちなみに私のキャラクターは「花粉の運び手」に近いかな・・・。

イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材
トム ケリー ジョナサン リットマン Tom Kelley Jonathan Littman 鈴木 主税
早川書房 (2006/06)

【記事】国民5人に1人が高齢者=「70歳以上」への見直し提起?白書

国民5人に1人が高齢者=「70歳以上」への見直し提起?白書
http://www.jiji.com/cgi-bin/content.cgi?content=060602085924X937&genre=pol

 高齢化がまた一段と進み、現時点で全人口の20%以上が65歳以上となりました。昨日発表された出生率も過去最低ですし、少子高齢化の波は避けられないものになってきています。

 そろそろ頭を切り換えて、無理に人口を増やす努力をするよりも人口減少社会を楽しくする方法を考えた方がいいんじゃないでしょうかね? 

 そもそも国が少子高齢化に対して危機を感じるのは、2つの理由があります。

1.国力が人口に比例するから

 これは古典的な経済学の考えで、今でも途上国には当てはまる部分が多いのですが、知的集約産業が中心の国ではちょっと違ってきます。人口が日本よりも少ない国はたくさんあるのですから、それらのいいところを見習って欲しいですね。

2.国政の制度が人口が増えることを前提に作られているから

 日本の制度はいくつかの前提に基づいて作られています。この辺は堺屋太一の本など読むとよく分かるのですが、その1つが「人口は増えるもの」であるとのこと。 その考えが現れている良い例が年金制度ですね。日本の年金制度は現役世代が高齢者を支える仕組みになっています。例えて言うなら国がバックについて巨大なネズミ講をやっているようなものです。人口が増えていた時代は、このネズミ講も成り立っていました。しかし、ネズミ講で親ネズミが増えて、子ネズミが減っていったらどうなるでしょう? こ親ネズミはこれまでと同じ上がりを手にすることは出来ないですよね? 今の日本の年金もこれと同じ事が起こっているのです。

 この他にも税制などに、この前提に基づいて考えられたものが幾つかあるようです。人口減少社会は国の制度を変えていかなければならないから、みんな心配してるんですね。

高齢化大好機
高齢化大好機

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堺屋 太一
NTT出版 (2003/04/18)
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おすすめ度の平均: 4

4 興味深かった
3 「薀蓄のあるボヤキ」的マーケティング書
5 個人としても、ビジネス・パーソンとしてもヒントがたくさん。

 

【読書】自分の仕事をつくる

 天気の良い昼下がり、長らく懸念事項だった台所のガス台と換気扇をピカピカにした後に、ビールを片手に読み始めた本が、西村さんの「自分の仕事をつくる」だ。語り口がやさしいので気軽に読める本であるが、内容は深い。

 西村さんにはワークショップフォーラムなど、何度か会ってお話しする機会があったがまとまった著作を読むのは初めてだ。いくつかのトピックは話の中で触れられていたが、こうして読むとまた違った視点で読める。

 西村さんが様々な職業の人に対して、仕事観や生活観をインタビューする形式で書かれているのだが、そのインタビューの過程で明かされるそれぞれの考えが面白い。 

 主にデザインに関わる仕事について語られているのだが、自分の仕事をつくるということは全ての人に関わる問題だろう。働き方を考えることは、そのこと自体がクリエイティブなのだと思う。機械のようなルーティンワークをこなしている時だって、働き方次第でそこに新たな発見があるのだと思う。

自分の仕事をつくる
自分の仕事をつくる

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西村 佳哲
晶文社 (2003/10/01)
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【読書】夢ありき。

 Ubicompの参加のために、イギリスに出かけたときにお世話になったのが茂森勇さんです。脳性まひの彼は、確かに体は不自由でしたが 素晴らしい知性の持ち主でバークレーでコンピューターサイエンスを学び、今はロンドンの近くの街でサン・マイクロシステムズのエンジニアとして働いています。

茂森さんとイギリスのパブにて

 その茂森さんのご両親が書かれた本が「夢ありき。」お母様の子育て記と、お父様のエンジニア時代の体験がそれぞれの立場から書かれている。それにしてもパリダカで優勝した日野チームの監督だったとはね、私も優勝したときの場面はTVで見ましたよ。

 次は茂森勇さんご本人の書く自伝を読んでみたいですね。期待しています。

【読書】オタク市場の研究

 たまたまもらった本なので読んでみたが「オタク」という言葉の普及と共に、その中身も拡散してしまったようだ。本書では、オタク文化の広がりを消費社会の成熟の結果としている。
 でもそれでは単に成長著しいニッチ市場の分析に終わってしまうのではないだろうか?
 オタク市場があるとすれば、それは独特のコミュニティが形成されていることを指すのだろう。本書でも勿論コミュニティについて言及されているが、ほんの僅かで踏み込みが足りないなぁ。
 自分だったらここで、コミュニティを支配する物語の重要性を指摘したい。オタクはモノに対して萌えるのではなく、そのモノに付随する物語に対して萌えるのだと思う。ここで物語はアニメのストーリーだけではなく、スペックや開発秘話などの蘊蓄も含まれる。
 その物語がコミュニティの中でどのように消費されていくかを追跡することが、市場の方向性を占う方法なのだと思う。
 
オタク市場の研究
オタク市場の研究

posted with amazlet on 05.12.29
野村総合研究所オタク市場予測チーム
東洋経済新報社 (2005/10/14)
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