【大学】ユニバーサルデザイン講義?第1回目

大学でのユニバーサルデザインの講義の第1回目であります。これから全十五回の講義を行い、それを4つのパートに分けて解説する予定です。

最初のパートとしてユニバーサルデザインの概念や歴史、それらの背景を解説しました。私の受け持つ学生は1年生なので、Webアクセシビリティなどの細かいテクニックを教えるよりは、なぜそうしなければならないか、根本的な部分をじっくり説明していきたいと思っています。

特に初回はデザイナーとしての心構えとして、対症療法的なバリアフリーの問題点を指摘し、根源的な問題解決としてのユニバーサルデザインの重要性を訴えましたよ、もうかなり熱く。

JIS規格(X8341)の解説講座

9月15日に藤沢の慶応大学で開催されるヒューマンインターフェース学会の中で、JIS規格の解説講座が開かれる予定です。岡本先生や山田先生らと並んで、私は10月末に公開予定の電気通信機器に関する解説を行います。

電気通信機器のJISの正式名称は「JIS X8341-X:2005 高齢者・障害者配慮 設計指針?情報通信機器における機器、 ソフトウェア及びサービス 第4部:電気通信機器」 で、X8341シリーズの兄弟です。

この規格に関する詳しい解説は、本邦初になるでしょう。特に進歩の著しい携帯電話もその対象の1つに数えられていますので、注目度は高いですね。それだけに誤解や間違いがないように解説しなければならないです。

まだ席に余裕があるようですので、興味がある方はぜひご参加ください。

http://www.his.gr.jp/his2005/kousyuu.html#1

学習障害の人に便利なテクノロジーの紹介

本日は、講師をしてきました。
お題は「学習障害をサポートするテクノロジー」です。

学習障害とは日本では最近になってようやく知られるようになった障害です。どのような問題があるかは個別に異なるのですが、知的障害とは異なって、文字の読み書きだけが困難だったり、計算だけが出来ないなど。一部の能力に発達の遅れなどが見られる障害です。

この中でも、特に文字の読み書きに困難を感じる人をDyslexia(難読症)といいます。有名人では俳優のトム・クルーズがカミングアウトしています。

今回はDyslexiaを支援するNPO法人EDGEが主催する全14回のセミナーのうちの1コマをいただき、このような障害を持つ人にとって便利なテクノロジーについて講義をしてきました。

NPO法人EDGE http://www.npo-edge.jp/

参加者はこの講習後ティーチング・アシスタントとして、現場でDyslexiaの人たちを支援するため、出来るだけ実践的な内容を心がけて説明してきました。取り上げたテクノロジーもローテクから始まり、ハイテクであっても入手しやすいものを中心にしてきました。アメリカやイギリスなどにはよい製品があるのですが、言語の問題などで利用できないものも多く、これらは参考程度の紹介にとどめました。

どんな内容だったかはスライドの見出しを書いておきます。興味のある方はお問い合わせください。

  1. テクノロジーを使えばハッピー?
    • 特殊なテクノロジーの利用には、抵抗を感じる人がいる
    • 出来ないことを受け入れているようで、プライドが傷つくことがある
  2. テクノロジーを使うと成長しない?
    • 特定の能力を補うことにより、「二次的情緒障害」を防ぐ
    • テクノロジーを使うことで、成長が刺激されることがある
  3. 代表的なLDの抱える問題
    • 記憶することがむずかしい
    • 時間管理がむずかしい
    • 考えをまとめることがむずかしい
    • 文字を読むことがむずかしい
    • 文字を書くことがむずかしい
    • 計算することがむずかしい
  4. 記憶をサポートする道具
    • メモ/ポストイット
    • ICレコーダー
    • デジタルカメラ
  5. 時間管理をサポートする道具
    • スケジュール
      • カレンダー
      • 携帯電話のスケジュール帳
    • タスク
      • メモ
      • ポストイット
    • 時間を目で見る
      • キッチンタイマー
      • 砂時計
      • タイム・ログ
  6. PDA・携帯電話
    • 海外で主流のスマート・キーボードやPDAは日本では普及していない
    • 携帯電話のスケジュール帳やアラームを活用する
  7. 考えをまとめることをサポートする道具
    • 蛍光ペン/テープ
    • マインドマップ
    • アイデアプロセッサー
  8. 印刷物を読むことをサポートする道具
    • 拡大コピー
    • ルーラー定規(読みのため)
    • よい照明(明るさ・反射)
    • 電子辞書
    • OCR(Optical Character Recognition )
  9. 画面を読むことをサポートする道具
    • テキスト読み上げソフト
  10. 文字の入力をサポートする道具1
    • ペングリップ
    • 正しいタイピングスキル
    • 携帯電話型キーボード
  11. 文字の入力をサポートする道具2
    • 単語予測入力
    • 漢字練習ソフト  「LD児のためのひらがな・漢字支援」
  12. 算数・計算をサポートする道具
    • 電卓
    • 音声電卓
    • 電子ワークシート
      • Web上に公開されているものなどを利用すると良い
      • パワーポイントなどを使った自作教材
  13. パソコンの工夫(Windows)
    • ユーザー補助 コントロールパネルから設定
    • Wordのスペルチェックと文章構成機能
    • IME(日本語入力ソフト)の学習機能を活用する
  14. まとめ
    • 利用する人の個々の特性を理解してから、導入を検討すること(あくまで人が優先)
    • テクノロジーの限界を理解すること(テクノロジーに過度に依存しないこと)
    • ローテク/ハイテクの利点を活かすこと