第六回講義です。
今日のテーマはシナリオとペルソナ。ペルソナに関しては特に最近話題になるようになりましたね。
第六回講義です。
今日のテーマはシナリオとペルソナ。ペルソナに関しては特に最近話題になるようになりましたね。
本日の授業は障害者疑似体験を通じて、障害のある人の不便さを実感したり、支援機器に慣れたりする授業を行いました。課題の内容は次の6つ。
この疑似体験は、デジハリ以外でも何度か実施しているワークショップなので、回を追う毎に内容が充実してきていい感じです。ただ実施時間がもう少し長く取れると、体験も解説も充実できていいのになぁ。出来れば半日は欲しい。
しゃべる講義が続いたので、本日の講義はワークショップ形式。「観察」をテーマにグループワークを実施しました。
ユニバーサルデザインを進めるためには、利用者から情報を得るプロセスが非常に重要です。それは単にインタビューを実施して本人から聞き出せばよいというものではなく、隠れたニーズを引き出すために、デザイナーは様々な手法で利用者から情報を引き出す工夫が必要なのです。
その工夫の一つに「観察」の手法があります。ユーザビリティ・テスティングのようにモニタールームの中でユーザーの様子を観察するのも、その一つですが、今回はもっと身近で手軽に出来る方法を実施しました。
まず、授業の始めに様々な待ちの風景を撮影した写真を見せ、その中で気がついたことを全員で確認しました。その時に観察のポイントを解説します。
その後、学生の1人に手伝ってもらって、あらかじめ用意したビンを開けてもらいました。じつは2つのビンのうち、1つは接着剤でフタが固定されています。開かないビンを開けようとするとき、普段とはどのような違いがあるかを観察してもらいました。
最後にグループワークとして、3?4人のグループに分かれて個別に観察のワークをしてもらいました。今回は各自のお気に入りの「筆記用具」を使う様子をお互いに観察です。
友人同士で固まって座っているので、ワークショップを始める前にグループ分けをしました。今回は誕生日の順番に一列に並んでもらい、先頭から3人ずつに分かれてもらいます。ポイントは一言も喋ってはいけないこと。見ているとみんなそれぞれ工夫して自分の誕生日を相手に伝えていました。
グループワークでは、まず自分のお気に入りの筆記用具について、いい点とわるい点を説明してもらい、その後、文字や絵を描く様子を観察しました。最後に観察から気がついたことを元に改善点を提案してもらいました。
観察することは簡単な手法ですが、奥が深いので教えるポイントももっと工夫しないといけないですね。
今回のテーマは「変る高齢者像」。ワークショップを通じて高齢者に対するネガティブなイメージを変えることが目的です。
学生には事前に次のアンケートに答えてもらいました。 ( 回答数:24件 )
講義では、このアンケート結果を示しながら進めることにしました。
まず、波平さんの年齢ですが、Wikipediaで見ると54歳の設定です。まだ50代前半なんですね。ところがアンケートの結果は50代後半が最も多く、なんと70代だと思っている人も何人かいました。若い学生から見たら波平さんの見た目は老人なんでしょう。
50歳以下 |
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1人 |
51-55歳 |
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5人 |
56-60歳 |
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7人 |
61-65歳 |
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4人 |
66-70歳 |
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2人 |
71-75歳 |
|
5人 |
76-80歳 |
|
0人 |
80歳以上 |
|
0人 |
これに対して、現代的な若さの象徴としてローリングストーンズを紹介しました。彼らは平均年齢62歳で、今でも世界ツアーをこなす現役のバンドです。ライブの激しいパフォーマンスを見せ、波平さんの年齢よりも上であることを知らせると、そのギャップが興味深かったようです。寝たきり老人の問題は深刻だけれど、ほとんどの高齢者は自立した生活を過ごしていることを紹介。シニア向けの製品開発=介護機器という先入観や、年を取ることに対してネガティブな印象を少しは変えられたでしょうか?
その後もアンケートを引きながら高齢者の定義などを解説。何歳から高齢者という定義はなく、ほとんどの人が自分よりも年上の人を高齢者と考えていることを説明。
50歳から |
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0人 |
51-55歳 |
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0人 |
56-60歳 |
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0人 |
61-65歳 |
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7人 |
66-70歳 |
|
9人 |
71-75歳 |
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5人 |
80歳以上 |
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3人 |
続いてワークショップを実施。今回はBackcastingという手法で、未来の高齢者像について考えることにしました。
学生を3人一組のグループに分け、アンケートの3,4を元に未来の高齢者について考えてもらう。そして、将来の社会状況を考えながら、10年後20年後のアクションプランを考えるという段取りです。Backcasting法については、また別のエントリーで紹介したいと思いますが、厳密に実施するには事前の準備や資料の読み込みなどが必要ですので、本日は簡易版を実施。具体的な目標をたてるよりも、未来を考える事を重視してワークショップを実施しました。
振り返りで、2人の学生に結果を話してもらいましたが、未来の話しは少しSFのようで楽しいですね。
以上。
第2回目の講義。
9月末に国連の障害のある人の権利条約に日本がサインしたことを話しの枕にして、UDやアクセシビリティに関する条例や法律、規格・基準などを解説。説明が中心の講義なので、少し違ったトピックとして今日行ってきたCEATECのことを話す。