ニートに「発達障害」の疑い、支援に心理専門職も : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
一般的に使われているニートの定義は曖昧だ。もともとイギリス発祥の言葉で「NEET」と呼ばれる人はかなり限定された範囲の人を指す言葉だった。しかし、日本に輸入され「ニート」たときに拡大解釈されてしまった。おそらくニートと聞いて、「引きこもり」を想像する人も多いだろう。
このような言葉の取り違えが進む中で、支援の方法もニートに対するものと引きこもりに対するものとが混同して進められるようになっていた。それぞれ「職に就かず、勉強もせず、就職活動もしていない」ことは同じだが、そうなる原因は異なる。それなのに一律にニート対策を実施するのはいかがなものだろうか?
本来のNEETは社会的な悪条件の中で職に就けない人達を指す言葉だ。景気の悪化で生じた若年雇用の問題のように、社会的な問題を棚上げして、引きこもりのように個人や家族の問題に変えてしまった。
今回の報道のタイトルは「ニートに「発達障害」の疑い・・・」とその原因理由を、更に個人の障害の問題としてしまう恐れがある。
これは大変危険なことで、若年雇用問題は棚上げされ職に就けない者は発達障害のレッテルを貼られて蔑まされる。本当に発達障害で苦しんでいる人達まで、とばっちりを受けることにもなりかねない。