論考:ダークパターンとその発生メカニズムの分析

冊子「人間生活工学」にダークパターンに関する論考を寄稿しました。

「人間生活工学」Vol.25 No.2 | 一般社団法人 人間生活工学研究センター HQL

 論考はウェブ公開されないので、概略だけ記載しておきます。

 この論考は、ダークパターンとその発生メカニズムに関する分析についてまとめたものです。以下に主要なポイントをまとめます:

  • ダークパターンの定義:ユーザーを不利な選択に誘導する意図的なデザイン手法
  • ダークパターンの普及:多くのウェブサイトやモバイルアプリで広く使用されている
  • 法的規制:EUやアメリカの一部の州では規制が始まっているが、日本では明確な規制はまだない
  • ダークパターンの類型:比較の防止、羞恥心を煽る、偽装広告など、様々な手法が存在する
  • 発生メカニズム:
    • 企画段階:倫理観の欠如、教育不足、新技術への期待、過度の使命感
    • 実装段階:不適切なユーザビリティテスト、競合他社の模倣
    • 運用段階:顧客の声の軽視、法規制の不在、クチコミの影響
    • 全段階:KPI(重要業績評価指標)の追求
  • 対策:カスタマージャーニーマップにKPIを重ねて検討し、長期的な顧客満足度を考慮する

 この分析は、ダークパターンが単なる悪意ある行為ではなく、様々な要因が複雑に絡み合って発生することを示しています。効果的な対策には、倫理教育、適切なKPI設定、長期的な顧客関係の重視が必要であることを主張しています。