【読書】それでいいのか蕎麦打ち男

 「下流社会」に続いて「それでいいのか蕎麦打ち男」を読んでみた。下流~がある意味で団塊Jr.世代を評論した世代論であったが、この蕎麦打ち男はその親に当たる団塊世代を論じた本である。
 世代論なんて血液型占い程度にしか信じていないが、読むと結構面白いんですよねぇ。特に団塊世代は2007年問題などでクローズアップされていて関連する書籍がたくさん出ています。それらの類書が、金持ってる団塊世代を相手においしいビジネスしましょう的な内容に比べて、自身も団塊世代の著者が同世代に向けて渇を入れるという内容はちょっと目新しい。
 まぁ何にしても団塊Jr.にあたる私は、団塊世代に対して近親憎悪的な複雑な感情を持っているので、この渇は気持ちよかった。
 
 
それでいいのか 蕎麦打ち男
残間 里江子
新潮社 (2005/09/21)
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【読書】下流社会

  流行ものなのでとりあえずチェック。
 アマゾンの読者評価では辛い採点だが、売れているだけあってそれなりに読ませる力がありおもしろい。最近光文社新書はヒットを立て続けに出しているのは、タイムリーで分かりやすいタイトルと書き方があるのだろう。参考にしたい。
 マーケティング畑を歩いてきた人なので、直感を裏付ける材料として統計を用いており、その手法は恣意的で多少強引なところがあるものの説得力がある。 
下流社会 新たな階層集団の出現
三浦 展
光文社 (2005/09/20)
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新刊のご案内:市民にやさしい自治体ウェブサイト

 新刊のご案内です。春頃から書き出した原稿がこのほどまとまりました。毎度のことですが遅筆で共著者の皆様にすげーご迷惑をおかけしました。

 内容は、組織におけるWebアクセシビリティを運用面から解説したもので、自治体を想定して解説してますがある程度の規模を持つサイトを運用している方にとっても参考になる内容だと思います。

 書店には来週以降に並ぶようです。見かけたら是非ともお手にとって下さい。

見本誌

市民にやさしい自治体ウェブサイト―構築から運用まで
山田 肇 榊原 直樹 遊間 和子 小林 隆 関根 千佳 C&C振興財団
NTT出版 (2005/11)

【読書】適正技術

適正技術という言葉がある。これは人間の使いこなせる技術という意味で社会や環境に対して負荷のかからないものである。

これを実践している人をたまたまテレビで見た。 その人は藤村靖之といい、電気を使わないでも動作する製品を作る発明家であった。藤村氏の作る製品はいずれも電気を使わずに物理現象を応用してものを冷やしたり、動かしたりするものであった。今はモンゴルで放射冷却の原理を応用した電気を使わない冷蔵庫の開発をおこなっている。

現在の科学技術は、核のように時には人類が制御できないようなオーバーテクノロジーであったりする。核ではなくても電化製品や化学製品は、一時は快適な生活をもたらしてはくれたが、その実、ゴミ問題や環境汚染などの予期せぬ問題を引き起こした。こられは人類の制御の範囲を超えたものであるとすれば、全てオーバーテクノロジーであると言える。

藤村氏の発明はこれらに対して、自然の原理に基づいたものであり、我々のコントロール可能な範囲のテクノロジーである。このようなものを正に適正技術というのであろう。

ユニバーサルデザインを考える時に、日本の状況だけを考えずに国際的な問題を見つ、適正技術を選定することが重要になる。日本はこの分野でリーダーシップを担う立場にあるのだから、日本の都合だけではなくこの適正技術の思想を持って、各国と付き合うべきであろう。

藤村氏の著作

エコライフ&スローライフを実現する愉しい非電化
藤村 靖之
洋泉社 (2004/05)
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ここから始めるWebアクセシビリティ―誰もが使いやすいホームページの作り方

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浜田 英雄 小川 祥子 榊原 直樹 関根 千佳 ユーディット
ぎょうせい (2004/07)
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