王様はDyslexia

 スウェーデンの現国王であるCarl XVI Gustafは、実はDyslexia(難読症)なのだそうです。そんな話しを聞いたので検索したところ、Wikipediaにこんな記述を見つけました。

Dyslexia For many years, it was widely rumoured that the king had dyslexia. Journalists noted that he misspelled his name when signing his accession document, and in 1973, when visiting a copper mine in Falun, he misspelled his name when signing it on a rock wall. In an interview on Swedish television in 1997, however, the condition was admitted publicly when his wife addressed the issue. “When he was little, people did not pay attention to the problem,” she said. “He didn’t get the help he needed.” She also noted that the couple’s children have “a bit of” dyslexia themselves.

Carl XVI Gustaf of Sweden – Wikipedia, the free encyclopedia より
http://en.wikipedia.org/wiki/Carl_XVI_Gustaf_of_Sweden

 スウェーデンでは早くからDAISYなどのデジタル録音図書などを作成していましたが、このような事も背景にあったのでしょうか? ま、Wikipediaの記述を見るとなかなか認めなかったそうなので、他の要因が強いのでしょうね。

平成18年の障害者雇用率

 厚生労働省の発表によれば、平成18年6月時点での障害者雇用率は1.52%だったそうだ。

 法律で決められた最低限の雇用率は1.8%であるので、まだ目標を達成する事は出来ていない。政府は積極的に雇用率を高める施策をしているが、いずれも効力を発しているとは言い難い状況にある。

 雇用に関連する問題として教育が上げられるが、私は教育の問題を解決しなければ雇用率の増加も期待できないと感じている。現在の養護学校などで行われている教育では実際の会社で働く際の能力に結びついていない。また、更に高いスキルを身に付けようと高等教育に進もうと思っても養護学校のカリキュラムでは受験を乗り越えるのは難しい。大学に入れるだけの力があっても、大学側の環境が整っていないことが理由で、拒否される例もある。

 教育の問題は、採用する側の心理面にも影響する。分離教育で幼い頃から障害をもつ人と分けて過ごしてきた人達にとっては、いざ採用する時点で障害を持つ人の事を何も知らないことに気が付くだろう。彼らとどのように接していいか分からなのだ。その結果、採用を見送ることになる。本当は少しの気遣いだけで健常者と全く同じに働けるような人であってもだ。

 双方の理解を進めるためにも、雇用の問題を考える際には教育の問題も合わせて考えていくことが必要である。

厚生労働省:民間企業の障害者の実雇用率は、1.52%(平成18年6月1日現在の障害者の雇用状況について)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/12/h1214-2.html

 

国連総会が障害者の権利条約と選択議定書を採択

 関係者の方々の努力が実り、ついに国連で障害者の権利条約が採択されることになりました。先進国で唯一障害者の権利を定めた法律を持たない日本が、この条約に対してどのようなスタンスを取るかはまだハッキリとは分かりませんが、大きな一歩となったことは確かです。

 これを機会に国内の法律などが整備され、障害をもつ人がより暮らしやすい社会が実現されることを期待します。

FIFTH COMMITTEE CONSIDERS BUDGET IMPLICATIONS OF GENERAL ASSEMBLY TEXTS ON DAMAGE REGISTER, DISABILITIES CONVENTION, LAW OF SEA
http://www.un.org/News/Press/docs/2006/gaab3779.doc.htm

 

HCD-NETのセミナーに参加

田町で行われた人間中心設計推進機構(HCD-NET)が主催するセミナーに参加してきました。本日は初心者・中級者向けの内容ということで非常に分かりやすくまとめられており、参考になる内容でした。

  • 「人間中心設計促進のためのユーザビリティ定量評価」 和井田 理科氏 (日本ビクター株式会社 技術開発本部 コア技術開発センター)
  • 「人間中心設計促進のためのペルソナ手法とデザイン事例」 山崎 和彦氏 (日本アイ・ビー・エム株式会社 ユーザエクスペリエンス・デザインセンター 部長)

和井田氏の講演内容は、日常の業務経験に基づく含蓄のある解説でした。社内ユーザーと社外ユーザーとで評価結果に違いがあるかという問に対して比較調査を実施した結果、パフォーマンス測定に関しては同じ傾向が見られるというのは、面白い発見です。

もちろんユーザーテストはパフォーマンス測定以外にも様々な場面で使われるので、この結果だけで社内モニターだけで済ませられるとは言えないのですが、予算の少ないテスト計画を立てるときには参考になります。

山崎氏のペルソナ手法は、その場で出来る演習付きでした。丁度いま学生とペルソナ作りをしているので、この演習は大変参考になり、授業でも一部を取り入れたいと考えています。

PICTOCHATが便利!?

 ニンテンドーDSには標準で「PICTOCHAT」というチャットソフトが搭載されている。これは無線によって複数のDSとメッセージを共有できるものだ。ソフトキーボードで文字入力も出来るが、なんといってもタッチペンでサッと手書きの文字を相手に送ることが出来るのが最大の魅力だ。

 この機能が実は聴覚障害の人に便利だということを先日のパーティーの時に来ていた難聴の人に教えてもらったのだ。連れの人と二人でDSを使ってやり取りする様を見せてもらったが確かに慣れるととても便利そう。

 もともと聴覚障害の人メモ帳や携帯用のホワイトボードなどをいつも携帯して、筆談する事があるが、それらの場合交代で書き込むことになり時間のロスがある。それに比べてDSならば持ち替える手間が省ける。

 なにより特殊な機械じゃなくて、2万円足らずで購入できる汎用品だというのがいいじゃないですか。最近は品不足が解消されてきて以前より入手しやすくなってきたみたいだし。

PICTOCHAT