NPO関係者のBBQ

以前参加したNPO活動に参加する若手の集まりの会で、BBQをすることになり多摩川まで行ってきました。

参加者はAidsの啓発キャンペーンをしている人、環境保護、アースデイの事務局スタッフや、この前の選挙で注目された10代の模擬選挙を進めるグループなど様々・・・。

自分自身はすっかりそのような活動から遠ざかってしまったのだけれど、仕事がユニバーサルデザインのコンサルティングという、いわばソーシャル・アントレプレナーに近い立場にあるので、他の参加者の話はとても参考になるし、楽しかった。

それぞれに問題意識を持ち、活動を続けていくことの楽しみや苦労みたいな話を聞くと刺激を受けるね。まだ日本の市民活動はこれからという状況には違いないけれど、気負った様子もない彼らと話しているとなんだか楽しくなってきた。

バーベキューの風景1 バーベキューの風景2

【読書】適正技術

適正技術という言葉がある。これは人間の使いこなせる技術という意味で社会や環境に対して負荷のかからないものである。

これを実践している人をたまたまテレビで見た。 その人は藤村靖之といい、電気を使わないでも動作する製品を作る発明家であった。藤村氏の作る製品はいずれも電気を使わずに物理現象を応用してものを冷やしたり、動かしたりするものであった。今はモンゴルで放射冷却の原理を応用した電気を使わない冷蔵庫の開発をおこなっている。

現在の科学技術は、核のように時には人類が制御できないようなオーバーテクノロジーであったりする。核ではなくても電化製品や化学製品は、一時は快適な生活をもたらしてはくれたが、その実、ゴミ問題や環境汚染などの予期せぬ問題を引き起こした。こられは人類の制御の範囲を超えたものであるとすれば、全てオーバーテクノロジーであると言える。

藤村氏の発明はこれらに対して、自然の原理に基づいたものであり、我々のコントロール可能な範囲のテクノロジーである。このようなものを正に適正技術というのであろう。

ユニバーサルデザインを考える時に、日本の状況だけを考えずに国際的な問題を見つ、適正技術を選定することが重要になる。日本はこの分野でリーダーシップを担う立場にあるのだから、日本の都合だけではなくこの適正技術の思想を持って、各国と付き合うべきであろう。

藤村氏の著作

エコライフ&スローライフを実現する愉しい非電化
藤村 靖之
洋泉社 (2004/05)
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教育関連のセッション(HI学会3日目)

HI学会最終日の本日は、講師も座長もなくのんびりと聴講。主に教育関連のセッションを中心に聞いて回る。高齢者や障害者支援のセッションが並列して開催されていたが、いろいろと人に教える機会が増えてきたこともあって、目下教育が最大の関心事だが今回のセッションはそれとは違うようだったが、おもしろい内容だった。

座長デビュー(HI学会2日目)

二日目のヒューマンインターフェース学会、朝一番の「ユニバーサルデザイン」のセッションで座長を担当することになっており、いそいそと出かけていったのですが、乗り換えで失敗。なんと到着がセッション開始直前となり焦って教室に駆け込んだのでしが、幸いなことに助手の学生さん達が優秀で準備が終わっており、何とか無事に発表をスタートすることが出来ました。

それにしても座長の仕事は緊張しますね。質疑応答で誰からも手が上がらなかった場合に、座長が代わって質問することになっているので必死に発表を聞くことになりますから。でもおかげで発表の内容をよく理解できました(^^;

セッション内容は企業の取り組みが1点、プロトタイプの開発が1点、基礎研究が2点とバランスのとれた発表で、いずれもレベルの高いものでした。質問も会場から複数いただき、懸念していた質問なしという状況は避けられました。

講習会終了(HI学会1日目)

 藤沢にあるSFCで行われたヒューマンインターフェース学会に行ってきました。私の本日の役目は、先日も案内した専門講習会の講師です。

 講習内容は10月下旬に発表になるJIS X8341?4:電気通信機器の高齢者・障害者配慮設計指針の解説です。制定の背景や規格の内容などを踏まえて、適用のプロセスやチェックリストの作成方法などを説明してきました。

以下に講習に使用したテキストの見出しを書き出しましたので、参考にしてください。

JIS X8341-X:2005 高齢者・障害者配慮設計指針?
情報通信機器における機器、ソフトウェア及びサービス第4部:電気通信機器

特徴
 一般製品を対象にしたもの (福祉機器や支援機器を対象にしたものではないが、それらとの連携は重視)
 企画・開発・設計のための「プロセス」を重視(多様な利用者や専門家などの参加)
 数値目標を定めたものではない (ただし参考として設計に有用な情報は提示)
 チェックリスト(配慮ポイント一覧表) (設計の効率化/利用者への情報提示)

1.適用範囲

4.基本原則

5.企画・開発・設計における要件

6.操作・利用に関する共通要件

 6.1 操作
 6.2 設置・接続・設定
 6.3 安全性
 6.4 情報セキュリティ
 6.5 コンテンツ利用の権利
 6.6 代替手段
 6.7 インタフェース仕様の公開及び標準化
 6.8 機器個別の要件

7.機器に関する共通要件

8.サポートに関する要件

附属書
附属書:基本機能及び配慮要件
共通要件をベースにして、既存の代表的な電気通信機器ごとに具体的な配慮事項をまとめたもの

心身機能別配慮ポイントの一覧表
一部でも未配慮の項目があると、その心身機能が低下した利用者は、機器を利用できなくなる
具体的な企画・開発・設計の際には、これらを参考に独自の表を作成すること

配慮ポイント表(固定電話の例)

電気通信サービス
本規格では取り扱いの対象外だが・・・
「電気通信」のアクセシビリティは、機器だけでは解決できないことも多い
電子メールの遅延→文字通信のリアルタイム性確保
電話リレーサービス→音声とテキスト通信の変換
緊急時の通信のアクセシビリティ(メール110、災害時の安否確認等)
機器の改良がサービスにも広がるように期待

ユニバーサルデザイン(UD)との対比
高齢者・障害者及び一時的な障害を対象
基本はUDの考えを尊重