【読書】アジア・アフリカの障害者とエンパワメント

 原著は1993年に出版されたが、今読んでも古さを感じさせない。それは途上国の障害者の状況が一向に改善されていないからだろう。本書の中で取り上げられている国、例えばインドのようにその後大きく経済成長を遂げた国であっても、障害者は貧困と差別にあえいでいる。

 途上国において、障害者問題の最も大きな関心は「貧困」だ。身体的な障害と根強い差別のために働くこともままならない。

 学生時代に参加した、留学生との交流会。その日は少しまじめに、世界の解決すべき問題は何か?という話題について話していた。日本人が環境問題や国際協調など、思い思いの課題を話すのに対して、留学生の多くが「Poverty」と答えていた。

 その時に感じたのは違和感は、私がまだ保護されている学生の身分だったからなのか、あるいは日本に住んでいるからなのかは、いまだに分からない。しかし、それから世界の貧困について意識するようになったと思う。(でもホワイトバンドはしないよ)

 障害者支援技術は、確かに障害者のADL(日常生活動作)を向上させることが出来るだろう。しかし、それと同時にかれらのQOL(生活の質)を向上させるだろうか? 貧困と差別の前で技術は何が出来るだろうか? この本はそんな事を考えさせてくれた。

アジア・アフリカの障害者とエンパワメント
ピーター コーリッジ Peter Coleridge 中西 由起子
明石書店 (1999/07)
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