【大学】ユニバーサルデザイン講義?第6回

先週は祝日で休みだったので、今日で6回目のUDの講義。

今回は主に視覚障害について解説。最初に30分ほど私の方からワシントンの会議の話と視覚障害全般について説明し、残りの時間をゲスト講師の方に解説していただいた。

ゲスト講師はマイクロソフトでアクセシビリティを担当している細田さん。今回はマイクロソフトのアクセシビリティについてと、視覚障害者としてのご自身の体験などを、スクリーンリーダーなどの実演を交えながら語ってもらった。

JIS X8341-5

 X8341シリーズの5番目の、JIS X8341-5:事務機器が10月21日に  JISC(情報技術専門委員会)で承認されました。事務機器はコピー機やプリンターなどのことです。これによってX8341シリーズの策定は一段落しましたね。

 このニュースの詳細は、経済産業省のサイトで公開されており、2006年2月20日にJIS制定の予定になっています。
http://www.meti.go.jp/press/20051021006/20051021006.html

ニューヨーク・MoMA「SAFE」展

 ワシントンからニューヨークへ移動しました。タイムズスクエア

 2度目のNYですが、前回はブラジルへ行く途中のトランジットの間の数時間に市内に出かけただけなのでちゃんとした形の訪問は初めてになります。

 エマージェンシーがテーマの今回の旅ですが、NY訪問の目的はMoMA(現代美術館)で開催されている特別展の「SAFE」を見ることでした。(他の仕事のアポもあったので一石二鳥でした)

 この特別展はその名の通り、安全に関するデザインを集めたものでプロダクトから情報デザインまで安全に関して広く集めています。

 段ボールで出来ているのだけれど非常に耐久性の高いシェルターや遭難時の救命ボートのようなとても大きなものから、コクヨのプニョプニョピンのように日常での安全のためにデザインされた小さなプロダクトまだ幅が広いです。

シェルター プニョプニョピン

 またそれらの器具を使用する際の説明も情報デザインとしては大変参考になるものが多かったですね。

非常案内 情報提示のデザイン

 もちろんMoMAは数々の作品を収蔵していて、時間の許す限り堪能して参りました。通常は画集などで小さなものしか見たことがなかった作品も実際のものをみるとかなり巨大で圧倒的です。やはり本物は違いますね。特にモネの睡蓮の巨大さには驚きました。

ワシントン・非常時のアクセシビリティに関するカンファレンス?3日目

カンファレンス3日目

 前日までの議論がテレビやラジオなどのいわゆる放送を主に扱っていたのに対して、今日のテーマは電話やメールなどの通信の分野について主にプレゼンがありました。

 アメリカでは電気通信事業者に対して障害者に対するサービスが義務づけられているため、前提となる条件が日本とかなり異なるので、その点を考慮に入れて考えなければならないと感じました。

 同時に、同じようなサービスをを実現するにも日本では技術で解決しようとする問題を制度やシステム、そして人力を使って解決しようとするところに異なる姿勢があることを感じました。例えば聾者と聴者の間を取り持つテレホンリレーサービスなどは、このよい例のように思います。

 これは根本にある発想が異なるからなのでしょう。日本では「技術」と「障害者」とのミスマッチングの問題だと捉えるので、それを解決するために技術を改良しようと考えるのです。これに対して障害者の社会参加に問題があると考えれば、その実現方法は技術的な改善だけでなく、自ずと様々な手段が考えられるでしょう。

ワシントン・非常時のアクセシビリティに関するカンファレンス?2日目

 この日からカンファレンス開始。

 会場前のロビーに行くとそこでは手話で会話する人であふれていた。その場のほとんどの人が手話で会話していたため、ざわめきがあっても言葉は聞こえてこない・・・。英語もままならないのにアメリカ手話なんて全く分からないよぅとパニックを起こしかけたところだけれど、ちゃんと聴者もいたので一安心。

会場の様子

 会場内では情報保障のために手話と字幕が完備されていました。上の写真では左手のスクリーンに発表者のスライドが、右手のスクリーンには発表者の喋った言葉が即時に字幕として表示されます。この字幕、事前に入力されていたわけではなく、その場でキー入力していくのです。なんという速さ!!! そして左手のスクリーンの下には発表者がおり、その横には手話通訳者がいます。写真の中央にも通訳者が写っているのですがスペイン語手話だそうです。この他にも聾者が発表する場合には、その手話を読み上げる通訳者もいます。

 リアルタイムで字幕が出るのは、ヒアリングが苦手な日本人にとってもありがたいですね。でもこの会議に海外から参加したのは我々グループだけで、Welcome Speachの際にも遙か日本から来てくれた人がいますと、紹介してもらうほどでした。この手の会議はアメリカでも初めて開かれるものだそうです。会議の出席者は半数が政府関係者で残りが企業関係とNPOスタッフだそうです。