たまたまもらった本なので読んでみたが「オタク」という言葉の普及と共に、その中身も拡散してしまったようだ。本書では、オタク文化の広がりを消費社会の成熟の結果としている。
でもそれでは単に成長著しいニッチ市場の分析に終わってしまうのではないだろうか?
オタク市場があるとすれば、それは独特のコミュニティが形成されていることを指すのだろう。本書でも勿論コミュニティについて言及されているが、ほんの僅かで踏み込みが足りないなぁ。
自分だったらここで、コミュニティを支配する物語の重要性を指摘したい。オタクはモノに対して萌えるのではなく、そのモノに付随する物語に対して萌えるのだと思う。ここで物語はアニメのストーリーだけではなく、スペックや開発秘話などの蘊蓄も含まれる。
その物語がコミュニティの中でどのように消費されていくかを追跡することが、市場の方向性を占う方法なのだと思う。
野村総合研究所オタク市場予測チーム
東洋経済新報社 (2005/10/14)
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