【記事】ASCII24:視覚障害者への福音、電子書籍の自動読み上げに消極姿勢の出版社

視覚障害者への福音、電子書籍の自動読み上げに消極姿勢の出版社
http://ascii24.com/news/i/soft/article/2006/10/11/665110-000.html?top

 以前からデジタルディバイドの解消を意識していたボイジャーのT?Timeが遂に音声読み上げに対応した。嬉しい報告だが、同時にコンテンツ提供者である出版社が消極的だというのが残念だ。

book形式の読み上げが可能かどうかは、出版社の意向次第。出版社や著作者が許可しない限り、電子本の読み上げはできない。「情けない話ですが、3割から4割程度の出版社が読み上げ対応に消極的」(前出萩野氏)。 (記事より引用)

 読み上げに対して消極的な理由はハッキリと書かれていないが、著作権の問題が大きいと思う。出版社側は著作権保護された電子ブックのファイルであれば管理が出来るが、それらを読み上げた音声が録音されて音声ファイルとして配布されるのではないかと危惧しているのだろうか?

点字による複製など 点字によって複製することができる。またパソコン・ネットワークによって点字データの保存や送信すること、及び点字図書館・盲学校の図書室など一定の施設において視覚障害者向けの貸出し用として著作物を録音することができる。  (はじめての著作権講座より引用

 上記のように障害者に対しては点字への複製や録音が認められている。この場合の複製作業は人手による手作業を指すのだろうか? デジタル化されていれば低コストでこれらの作業が出来るのに、まるで時代に逆らうような行為だろう。デジタルデータの読み上げを禁止するのも時代に逆らう行為だと思う。 そもそも読み上げのメリットは視覚障害だけに留まらない。視力の落ちた高齢者や、学習障害者のように目で読むよりも耳で聞いた方が文章の意味を理解しやすい人もいる。健常者であってもラジオのように効くことが出来るオーディオブックは便利なものだ。このようなメリットを提供することが、電子ブックの売り上げにつながることを理解してもらえればと思う。