【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第4回

 本日で4回目の授業です。

 今年使っている教室は縦長で、一番奥の学生はかすんで見えません・・・。出席の取り方も点呼からカードに記入する方式に変わり学生を呼ぶことが無くなったため、なかなか名前も覚えるのが難しくなってきました。なんとか顔と名前を覚えようと、出席表を眺めております。

 さて、今回の講義では人間の知覚や認知の仕組みについて解説しました。情報のユニバーサルデザインを考える上で、これらの仕組みを理解する事が求められるのですが、簡潔に解説するのは難しいですね。

 今後の仕掛けとして、Webサイト作成のクラスと合同でWebアクセシビリティの実習をやることになりました。1コマでは足りないので2コマ使ってサンプルページの作成とチェックを体験してもらう予定です。

【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第3回

 UDの3回目の講義です。

 今回はUDと標準化の関わりについて解説しました。標準化って地味だけど重要なことなのでしっかり説明したっかたのです。

 身の回りのもので標準化されているモノの例を挙げながら、標準化することのメリットとデメリットを解説しました。キーボードのテンキーと携帯電話のテンキーの配列の違いなどは分かりやすい例だと思います。

【記事】ASCII24:視覚障害者への福音、電子書籍の自動読み上げに消極姿勢の出版社

視覚障害者への福音、電子書籍の自動読み上げに消極姿勢の出版社
http://ascii24.com/news/i/soft/article/2006/10/11/665110-000.html?top

 以前からデジタルディバイドの解消を意識していたボイジャーのT?Timeが遂に音声読み上げに対応した。嬉しい報告だが、同時にコンテンツ提供者である出版社が消極的だというのが残念だ。

book形式の読み上げが可能かどうかは、出版社の意向次第。出版社や著作者が許可しない限り、電子本の読み上げはできない。「情けない話ですが、3割から4割程度の出版社が読み上げ対応に消極的」(前出萩野氏)。 (記事より引用)

 読み上げに対して消極的な理由はハッキリと書かれていないが、著作権の問題が大きいと思う。出版社側は著作権保護された電子ブックのファイルであれば管理が出来るが、それらを読み上げた音声が録音されて音声ファイルとして配布されるのではないかと危惧しているのだろうか?

点字による複製など 点字によって複製することができる。またパソコン・ネットワークによって点字データの保存や送信すること、及び点字図書館・盲学校の図書室など一定の施設において視覚障害者向けの貸出し用として著作物を録音することができる。  (はじめての著作権講座より引用

 上記のように障害者に対しては点字への複製や録音が認められている。この場合の複製作業は人手による手作業を指すのだろうか? デジタル化されていれば低コストでこれらの作業が出来るのに、まるで時代に逆らうような行為だろう。デジタルデータの読み上げを禁止するのも時代に逆らう行為だと思う。 そもそも読み上げのメリットは視覚障害だけに留まらない。視力の落ちた高齢者や、学習障害者のように目で読むよりも耳で聞いた方が文章の意味を理解しやすい人もいる。健常者であってもラジオのように効くことが出来るオーディオブックは便利なものだ。このようなメリットを提供することが、電子ブックの売り上げにつながることを理解してもらえればと思う。

【TV】草薙剛はダスティン・ホフマンを超えられるか?

 フジテレビ秋の新番組「僕の歩く道」が今日から始まった。

>「僕の生きる道」「僕と彼女と彼女の生きる道」に続く草なぎ剛主演、橋部敦子脚本で送る3部作の最終章。自閉症の青年が純粋に生きていく様を描く。

 ちょっと神経質そうに見える草薙君が、こだわりの強い自閉症を演じるのに向いているかもしれないと素直に思った。キャスティングにはひとまず安心。

 初回ということもあって、自閉症に関する解説っぽい内容になってしまったのは仕方ない。でもこれで正しい理解が広まってくれればいいな。障害者自立支援法が10月から始まったこともあって障害者が働くことをテーマにした作品がこのクールに放送されることは意味があると思う。あと職場が動物園なので「Songs Of The Gorilla Nation: My Journey Through Autism 」を連想してしまった。この本はアスペルガー症候群の筆者から見た世界や、動物園でゴリラを観察することを通じて学んだ自身の障害に対処する方法などを著した自叙伝です。ちょっと関係あるかな?

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【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第2回

第2回目のユニバーサルデザインの講義です。

 本日のテーマはUDの背景と各国の動向について。まずはアメリカでのUDの成り立ちから解説。権利獲得運動とその成果である各種の法律について。対照的に日本ではUD化のドライビングフォースが、高齢化によるマーケット拡大から来ているものだと解説。

 日本ではユニバーサルデザインを市場の観点から、あるいは福祉的な観点から語られることが多い(だから心のUDなんて恥ずかしげもなく言う人がいるんだろうな)。しかし世界ではUDを人としての権利として捉えている。この違いを学生達にちゃんと分かってもらえただろうか?

 権利や法律の話しは学生の喰い付きが良くなかったが、日本のシニア市場に関する話題には興味を持った人が何人かいたようだ。既に成人人口の半分が50歳以上だということなど、数値を見せると流石に伝わるらしい。

 ついでに団塊の世代についても解説。最近のキリンラガービールのCMは団塊世代を狙った事が見え見えで、どこの代理店が作ったのかねぇなんてストリーミングを見ながら話したのでした。