【映画】ブラインドサイト

 渋谷で公開中の映画「ブラインドサイト」を見てきました。チベットの盲学校で学ぶ5人の生徒達が、エベレストの北側、標高7,000mのラクパリを目指す目指す課程を描いたドキュメンタリー。ラストは是非ご自身で確認していただきたいので、あらすじは割愛しますが、とても真摯に撮影されたドキュメンタリーで好感が持てます。日本で同じようなドキュメンタリーを撮ったら、どこかで過剰な演出が入るんだろうなと思います。でも、この映画に出てくる生徒達は皆、差別や偏見に晒されて生き抜いてきたので、そんな演出なんかしなくても感動します。

 チベットって、信仰に厚くてみんなで助け合って生きているというイメージがあったのだけれど、仏教の因果応報の考え方からか、先祖の不徳が理由で目が見えなくなったとされているため、障害をもつ人は大変な差別を受けています。そんな彼らを支えるのは、自分自身も視覚障害のドイツ人、サブリエ。単身でチベットに乗り込み1人で学校を立ち上げた人です。そして、彼らのヒーローで、山へと導くのは全盲の登山家エリックヴァイエンマイヤーです。この2人もとても魅力的な人で、それぞれにフォーカスをあてたドキュメントを見たくなる。

 作中で、2人は教育者と登山家として対立する場面があるのですが、その中での発言で「我々は子ども達を使って、何かを証明しようとすることだけは絶対にしてはならない」という言葉がありました。この言葉が強く心に残りました。

映画『ブラインドサイト?小さな登山者たち?』公式サイト

ブラインドサイトのパンフレット