しゃべる講義が続いたので、本日の講義はワークショップ形式。「観察」をテーマにグループワークを実施しました。
ユニバーサルデザインを進めるためには、利用者から情報を得るプロセスが非常に重要です。それは単にインタビューを実施して本人から聞き出せばよいというものではなく、隠れたニーズを引き出すために、デザイナーは様々な手法で利用者から情報を引き出す工夫が必要なのです。
その工夫の一つに「観察」の手法があります。ユーザビリティ・テスティングのようにモニタールームの中でユーザーの様子を観察するのも、その一つですが、今回はもっと身近で手軽に出来る方法を実施しました。
まず、授業の始めに様々な待ちの風景を撮影した写真を見せ、その中で気がついたことを全員で確認しました。その時に観察のポイントを解説します。
その後、学生の1人に手伝ってもらって、あらかじめ用意したビンを開けてもらいました。じつは2つのビンのうち、1つは接着剤でフタが固定されています。開かないビンを開けようとするとき、普段とはどのような違いがあるかを観察してもらいました。
最後にグループワークとして、3?4人のグループに分かれて個別に観察のワークをしてもらいました。今回は各自のお気に入りの「筆記用具」を使う様子をお互いに観察です。
友人同士で固まって座っているので、ワークショップを始める前にグループ分けをしました。今回は誕生日の順番に一列に並んでもらい、先頭から3人ずつに分かれてもらいます。ポイントは一言も喋ってはいけないこと。見ているとみんなそれぞれ工夫して自分の誕生日を相手に伝えていました。
グループワークでは、まず自分のお気に入りの筆記用具について、いい点とわるい点を説明してもらい、その後、文字や絵を描く様子を観察しました。最後に観察から気がついたことを元に改善点を提案してもらいました。
観察することは簡単な手法ですが、奥が深いので教えるポイントももっと工夫しないといけないですね。