点字タイプライターの開発者「Oskar Picht」

Google Doodles

 2024年9月23日のDoodles(記念日に合わせてGoogleのロゴを変える)は点字タイプライターの作成者「Oskar Picht」を記念したものだった。

 Oskar Pichtに関する日本語の情報は少なかったので、興味を持って調べた結果を、せっかくなので記事にまとめておく。

略歴

 Oskar Picht(オスカー・ピヒト)は1871年、ドイツのハンブルクで生まれた。学校卒業後、すぐに教師となり、後に視覚障害者教育に興味を持つようになった。彼はベルリン・シュテグリッツの国立盲学校に2年間通い、この分野について学んだ。

 1899年、彼は最初の点字ライターを開発し、1901年にその特許を取得した。数十年にわたる改良と修正を経て、1932年に再び特許を取得した。この改良版の機械は、6つのキーを使って押されたドットの組み合わせで紙に凹みをつける仕組みになっていた。

 ピヒトは発明家としてだけでなく、視覚障害者教育の熱心な支援者でもあった。彼は1910年から1912年までブロムベルクの盲人施設の所長を務め、さらに1920年から1933年まで母校の所長も務めた。また、視覚障害者についてラジオで講演を行った最初の人物でもある。彼は生涯を通じて、視覚障害者が質の高い教育や最新技術、そして平等な機会にアクセスできるよう尽力した。

 彼が作成した点字タイプライターは、主に木で作られており、点を打つ部分に金属が用いられているようだ。

点字タイプライターの最初の発明者

 ちなみに点字タイプライターを最初に発明したのは、アメリカ・イリノイ盲学校長フランク・H・ホールで、1892年に完成させたものである。ホールが作成したタイプライターはその後各国で改良が加えられたそうで、ピヒトのタイプライターもその1つなのだろう。

By Martin Howard – Own work, CC BY-SA 4.0, Link

 ピアノの鍵盤を思わせる美しいデザイン。6つのキーは、左手人差し指が①の点、右手薬指が⑥の点に対応しており、現在でも標準として使われているキーレイアウトが初期から実装されている。

「顧客経験を指向するインタラクション 自律システムの社会実装に向けた人間工学国際標準」の紹介

 今回、私が共著者として参加した新刊書籍「顧客経験を指向するインタラクション 自律システムの社会実装に向けた人間工学国際標準」について紹介します。

 本書は、インタラクションシステムについて考慮すべきことを最新の国際規格を踏まえて解説したもので、対象システムは現行のものからAI搭載の次世代のものまでを網羅しています。

 本書の特徴は、インタラクティブシステムに求められる要素から始まり、インタラクション原則、知能・自律型のロボットおよびシステムとのインタラクション、そして自動運転車を受容する社会構築に至るまで、幅広いトピックを扱っていることです。

 私が担当した「2.4 アクセシビリティ」の章では、アクセシビリティとHCIの関係、人間工学規格におけるアクセシビリティ、JIS X 8341シリーズの経緯と内容、ISO 9241-20の経緯と内容、その他のアクセシビリティ関連情報について詳しく解説しました。

 本書は、人間工学や情報システムの専門家はもちろん、顧客経験やユーザビリティに関心のある方々にとって、貴重な知見を提供するものであり、インタラクションシステムの設計や評価に携わる方々にぜひ手に取っていただきたい一冊です。

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年齢階層別インターネット利用率のまとめ

拙訳「高齢者のためのユーザインターフェースデザイン」の中で脚注に入れた日本の2002年から2017年までの年齢階層別インターネット利用率の図(p.22)ですが、非常に小さくて読みにくいため、こちらにPDFで公開することにしました。

公開に合わせて2018年のデータも追加しています。

各種の資料作成の参考にしていただければと思いますが、その際には必ず元のデータを確認の上でご利用ください。

年齢階層別インターネット利用率

年齢階層別インターネット利用率の図です。詳細は添付のPDF内の表をご確認ください。

【訳書】高齢者のためのユーザインタフェースデザイン-ユニバーサルデザインを目指して

近代科学社より2019年11月末に首記の翻訳書を出版させて頂きました。

高齢者に使いやすいIT機器が増えれば、コミュニティに関わり続けることができ、それによって自立した生活を長く継続できるのではないかと思います。価格が高いですが、多くの方に手に取って頂きたい書籍です。

目次

第1章 はじめに
・「高齢化する世界」の意味とは?
・世界の人口問題はデザイナーにどのような影響があるのか?
・私たちはサブグループのためのデザインガイドラインを本当に必要としていますか?
・前進しましょう
・本書の構成
・注:左から右に記述される言語

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UWSCで汎用USB-IO2.0を利用する方法

Windowsで便利に使えるマクロ作成プログラムUWSCで、汎用USB-IO2.0を制御してみました。

UWSCはPCの操作を記録して、マクロとして再生することができるプログラムです。独自のコードを記述してより高度な操作を実現することも可能です。定時操作も設定できるので、毎日同じ時間にPCに対してマクロを実行することも可能です。

もしPCに接続した機器に信号を送ることができれば、簡単なホームオートメーションが可能になります。

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