【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第5回

5回目の授業。学生の出席率が安定してきたので、今日からワークショップ形式の授業スタイルに徐々に変更することに。最初のワークショップは不便さの疑似体験を通じて、問題発見について学ぶことが目的です。

以下、実施したワークショップの内容です。 

  1. 難聴の疑似体験
  2. 音声による入出力の体験
  3. スティックによる入力の体験
  4. 握りにくさの疑似体験
  5. 触覚による識別の体験
  6. 白内障・視野狭窄の疑似体験
  7. 色弱の疑似体験

幾つかのワークはPC上のシミュレーションソフトを使っての実習になります。

学生が実習している間は、私はヒマなので順々に学生の間をまわり、不思議そうな顔をしている彼らに仕組みを説明したり、同じような不便さを感じる状況が、障害のない人にも起こることを気づかせたり、この状況で便利なデザインってどんなものだろうと問いかけたりと、大変充実した時間を過ごすことが出来ました。

【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第4回

 本日で4回目の授業です。

 今年使っている教室は縦長で、一番奥の学生はかすんで見えません・・・。出席の取り方も点呼からカードに記入する方式に変わり学生を呼ぶことが無くなったため、なかなか名前も覚えるのが難しくなってきました。なんとか顔と名前を覚えようと、出席表を眺めております。

 さて、今回の講義では人間の知覚や認知の仕組みについて解説しました。情報のユニバーサルデザインを考える上で、これらの仕組みを理解する事が求められるのですが、簡潔に解説するのは難しいですね。

 今後の仕掛けとして、Webサイト作成のクラスと合同でWebアクセシビリティの実習をやることになりました。1コマでは足りないので2コマ使ってサンプルページの作成とチェックを体験してもらう予定です。

【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第3回

 UDの3回目の講義です。

 今回はUDと標準化の関わりについて解説しました。標準化って地味だけど重要なことなのでしっかり説明したっかたのです。

 身の回りのもので標準化されているモノの例を挙げながら、標準化することのメリットとデメリットを解説しました。キーボードのテンキーと携帯電話のテンキーの配列の違いなどは分かりやすい例だと思います。

【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第2回

第2回目のユニバーサルデザインの講義です。

 本日のテーマはUDの背景と各国の動向について。まずはアメリカでのUDの成り立ちから解説。権利獲得運動とその成果である各種の法律について。対照的に日本ではUD化のドライビングフォースが、高齢化によるマーケット拡大から来ているものだと解説。

 日本ではユニバーサルデザインを市場の観点から、あるいは福祉的な観点から語られることが多い(だから心のUDなんて恥ずかしげもなく言う人がいるんだろうな)。しかし世界ではUDを人としての権利として捉えている。この違いを学生達にちゃんと分かってもらえただろうか?

 権利や法律の話しは学生の喰い付きが良くなかったが、日本のシニア市場に関する話題には興味を持った人が何人かいたようだ。既に成人人口の半分が50歳以上だということなど、数値を見せると流石に伝わるらしい。

 ついでに団塊の世代についても解説。最近のキリンラガービールのCMは団塊世代を狙った事が見え見えで、どこの代理店が作ったのかねぇなんてストリーミングを見ながら話したのでした。

【大学】ユニバーサルデザイン講義2006-第1回

 2006年度後期の授業が始まりました。今年の履修者は60名、昨年度の1.5倍増です。そのため教室も縦長になり、一番後ろの学生までかなり距離が遠いです。今年の1年生は「ゆとり教育」を受けてきた最初の世代だそうで、多少ビビリながら授業を始めたのですがなんのなんの静かに話しを聞いてくれました。ま、1回目だったから大人しかったのかもしれません(^^;

 初回から第3回目くらいまでの講義は、ユニバーサルデザインの概念や歴史などを中心に進めるので少々退屈になりがちです。その分、授業の組み立てを工夫して、学生の興味を持続させる必要がありますね。