【講演】学習支援相談員講習会-支援ツールの紹介

 港区の学習支援相談員養成講習会で、学習障害の人に便利な支援ツールの紹介をしてきました。今回で通算3回目の講習で私の方もだいぶ慣れてきましたが、その分内容も充実してきて支援機器のデモなどをしていると2時間の講義時間はあっという間に過ぎてしまいます。今後はビデオなどを活用して、講義の密度を高める努力をしないといけませんね。

 この講習会を実施する度に感じるのは、日本語に対応した学習障害向けの支援ツールの不足です。アメリカなどでは移民が多いせいか障害以外の理由で文字の読み書きに不便を感じる人が多く、様々な製品が発売されています。しかし日本語とは言語構造に大きな違いがあるため、それらの製品を利用することが困難なのです。

 この講座の受講者は研究者やエンジニアではなく、修了後に学校で直ぐに支援を始める方々なので実際に利用できるものを紹介しなくてはなりません。そのため私の講義では出来るだけ身近なモノを取り上げて便利に学習できるように紹介しました。

 出来れば海外の製品を日本語化して利用できるようにしたいです。あるいは日本で独自の製品を開発した方が良いのでしょうか? 何らかの方策を考えたいと思います。

講義風景

大学等での講義録

現在、デジタルハリウッド大学にて、ユニバーサルデザインの講義を担当しています。また2007年から新潟大学で非常勤講師となり、地域情報化などに関するアクセシビリティの問題を講義することになりました。

また、発達障害を抱える学生を支援するための学習支援相談員の養成講座でも支援機器に関する講座を受け持っています。

ここでは、それら私の講義に関する覚え書きを記しておきます。

【講演】熊本:情報のユニバーサルデザインワークショップ(2日目)

 熊本での2回目のワークショップです。

 今回は実践編ということで、具体的なデザインを作成・修正する時の注意点を中心に解説してきました。

 前回と同様に、前半に講義形式で説明をして、後半にワークショップで実際に試してもらうことにしました。今回は各自が「よいデザイン・わるいデザイン」と思う広報物や地図、サインなどを用意してきてもらい、それを講義で説明した手法で評価するという作業を経験してもらいました。

 評価の際には、各自が漫然とデザインを眺めるのではなく、目的意識とユーザー参加の意味を感じてもらうために個別にユーザーモデルを割り振りました。このモデルに沿ってロールプレイ形式でデザインの評価を実施。このロールプレイには、1日目に実施した疑似体験が役に立ったと思います。

 評価の作業の後に、グループ毎に検討の結果を発表してもらい成果を共有。なかなか皆さんイイ所を突いてきてます。こうゆうときはコメントを付けるのも楽しいですね。

 後半、時間が少し足りなくて、Webサイトのテクニカルな説明が出来ずに講義終了となってしまいました。結構それを目的に参加してくださった方もいて申し訳ない。でも、専門性を高めると、Webを知らない人にはつまらない講義になってしまいます。こうした応募条件の無い講演・講習はどの層にターゲットを絞るか難しいですね。

 それでもWebにも印刷物でも両方に応用できる知識を説明したので、概ね満足いただけたようです。

【講演】熊本:情報のユニバーサルデザインワークショップ(1日目)

 熊本で情報のユニバーサルデザインワークショップを開催してきた。今週は受講者ではなく私が講師だ。

 講義の風景

 熊本では塩谷知事の公約としてユニバーサルデザインの実践を掲げているため、県を挙げてUDの実践を推し進めている。今回のワークショップも県が主催で行われており、県職員や一般の方などがたくさん参加してくれた。

 少し残念なのは、会場の広さやワークショップという形式で進めるため参加者が限られてしまい、かなりの数の人をお断りしなければならなかったことだ。

 講義は2日間に分かれて開催する予定。初日の今日は、まず情報のユニバーサルデザインについて概要を解説。その後、グループに分かれて、様々な疑似体験をしてもらった。ユニバーサルデザインは高齢者・障害者のためだけのものではないけれど、こうした体験を通じて自分とは異なる他者の目を意識してもらうためだ。

次回は3月13日の予定。今度は実際にデザインの改良にチャレンジしてもらう予定だ。

【大学】ユニバーサルデザイン講義?第13回(最終回)

 半年にわたって続けてきた大学でのユニバーサルデザインの講義も今日で最終回となりました。最後ということで、これまでの講義で説明しきれなかった部分を再度解説。合わせて情報デザインの基本的な部分を説明した。この部分は本当はもう少し早い時期に説明した方がよかったと反省。次年度があればシラバスを全面的に見直したいと思う。

 講義を通じて感じたことは、情報のユニバーサルデザインというものが幅広い分野の学際領域であることだということ。それ故、1冊でその全貌を知ることが出来るような入門書的な教科書などがないことだ。やはり1冊書かなければならんかなぁ。専門の学生だったら、この本のここを来週までに読んでこいと言えるんだけどね。

 学生のモチベーションを維持し、授業に出てもらうための工夫というものが必要だった。特に後半は学校全体で出席率が下がる中で、ワークショップやゲスト講師の招聘などを有効に活用してモチベーションを高める努力をしてきた。おかげで学生からの授業評価は平均よりも高い数字をとることが出来た。

 ワークショップについてはやり方だけ説明して、実際の作業は宿題というのが多かったが、出来れば2コマ続けて最後までグループワークを実施してみたかった。これもシラバスとの相談かな。

 何はともあれ、今回一番勉強したのは僕自身だったと思う。教えることで自分自身の理解が深まった共に、教える技術も学ぶことが出来た。学生には申し訳ないが、僕の未熟な講義に付き合ってくれてありがとう。