【記事】asahi.com:手話で勧誘商法 5000人30億円被害? 2社を捜索 – 社会

asahi.com:手話で勧誘商法 5000人30億円被害? 2社を捜索 – 社会

 以前、聴覚障害者をターゲットにした詐欺のグループの記事を紹介したが、また似たような事件が起こってしまいました。

手話を使うなどして「事業会員になれば年間9億円にのぼる利益を分配する。毎月8万円の配当がある」「知人や友人に紹介して会員にすれば7万5000円」などと誘い、1セット約53万円のCD―ROMなどを買わせ、クーリングオフの記載が不十分な契約書を渡した疑い。

 手話が出来る営業マンの話しは、手話の出来ない営業マンよりも信じやすいという、聴覚障害者の心理を巧みに利用した勧誘方法です。また、聴覚障害者にはデフコミュニティと呼ばれるような独特のネットワークがあり、その強い繋がりを利用して、次から次へ関係者を誘い込む悪質な手口の犯罪です。

 コミュニケーションに障害をもつ人に対する弱みを悪用した犯罪は絶対に許せません。

【記事】低調なシニア向けケータイ

Japan.internet.com デイリーリサーチ – 低調なシニア向けケータイ、40歳以上で5%未満

  なんだかこの記事を読むと、シニア向け携帯がまったく売れていない印象を受けますね。ドコモのらくらくホンに限って言えば、シリーズ累計の出荷台数が1,000万台を超えているので低調とはいいがたいと思いますが…。

 確かにらくらくホン以外のシニア向け携帯は好調とは言えない状況にありますが、この報告の調査方法にも大きな問題があるように思います。まず、調査対象者の年齢ですが、次のように40代、50代だけで8割を占めています。

年齢別では、40代53.3%、50代27.9%、60代14.5%、70歳以上4.2%。

 また、登録モニターを使っているので、自らモニターに登録する積極的な人ですね。

 調査の手法もネットを使った回答だということなので、回答者はインターネットを操作できるITリテラシーの高い人です。

 この時点で回答者にかなりのバイアスがかかっていることが分かると思います。

意外にユーザーを獲得できていないシニア向けケータイだが、何が余計で、何が足りない機能なのだろうか。

 そんな問題を投げかける前に、自分たちの調査で何が余計で、何が足りないのかを考えて欲しいですね。

【読書】カーニヴァル化する社会

 TBSラジオで月に一度、日曜の深夜に放送されるラジオ番組「Life」。久しぶりに夜更かししても聞きたい番組が登場して嬉しい。朝まで生テレビ!のように毎回テーマを決めて、個性溢れるパーソナリティがトークを交わすのだが、朝生のように過激な内容ではなく、放課後の部室で友達と語り合ったような、ある種の懐かしささえ感じさせるトーンで進行していく。(ただし夜も更けていくとオヤジ発言が増えていく…)

 番組をもっと楽しもうと思い、メインパーソナリティーの鈴木謙介氏の著作「カーニヴァル化する社会」を読んでみた。タイトルから見てカーニヴァル化とはローマの「パンとサーカス」のサーカスにあたるものかと予測して読み始めたが、かなり違うようだ。サーカスが為政者から市民に対して与えられる上意下達的なものであるのに対して、ここでのカーニヴァルとは市民が自ら欲して作り上げていくものだと思う。

 本書の中でカーニヴァル化の具体例として「祭り」を引いている。これは伝統的な祭りではなく、2ちゃんねるなどで起きる突発オフなどの熱狂的な集団行動を指している。この祭りのメカニズムとその背景にある若者の心理を解こうというのが本書の試みである。 その要因とは、社会的なプレッシャーの増大によって鬱になりがちな気分を、祭りによって自らを持ち上げているのだという。これに加えて背景にITの進歩によりスマートモブのようなネットワーク化があるだろう。小さな種火も、ネットワークで増幅されて祭りの規模を以前よりも拡大することになっているのだと思う。

 面白いのはこの後に出てくる「ネタ消費」という概念である。「消費社会」から「記号社会」へと進み、モノそのものの価消費からモノに付随するブランドのような記号的なものを消費する状態へと移行してのだそうだ。日本人がブランドが好きな理由もその辺にあるんでしょう。それが更に進む「ネタ消費社会」になると、話しのネタになる個人的な体験に価値が置かれるため、より個性的な嗜好や体験に重きが置かれるようになるという。

 雑誌連載をまとめたものなので、前半のトピックのバラツキに違和感を覚えたが、最後のネタ消費の話しにつなげていく辺りは見事。番組の終わりにいつも気の利いた言葉で締めくくってくれるのと同じセンスを感じます。 

 

カーニヴァル化する社会
カーニヴァル化する社会

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鈴木 謙介
講談社 (2005/05/19)
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5 毎日をカーニバルにしたい。
5 今後の著作に期待
5 監視社会

Terragen

 雑誌に紹介されていた「Terragen」というフリーソフトを試してみました。このソフトTerragenの名前の通りTerraをジェネレートする、地形専用の3Dグラフィックソフトです。基本的なパラメーターを入力すると、あとは自動的にレンダリングしてくれてキレイな風景がを作ってくれます。ちょっとした背景画を作るにはピッタリですね。

 むかしBryceという同種のソフトを触らせてもらったことがあるのですが、今は同じようなソフトが無料で遊べるようになったんですね。

サンプル画像

Second lifeデビュー

 ようやくセカンドライフに登録しました。3D空間を気持ちよく彷徨うにはかなりのCPUパワーが必要なようで、ノートパソコンだと動きがカクカクしてちょっとストレスが溜まります。デスクトップにインストールし直したところ、少しはマシになったのですがやはり3Dに対応したグラフィックボードを購入した方がいいかもしれない(VistaのAeroも動かしたいし)。

 無料で手に入るアイテムで服を変えたり、アバターの見た目を変化させたりと自由にいじれるので、しばらくキャラクター作り。服は普段は着られない派手目なものを選んでみました。

 7月には正式に日本語に対応するそうですが、現在でもメニューを日本語化できますしチャットも問題ないです。名前を付けるときに選択できるものに日本人ぽいのがないので、和風な名前がいい人はもう少し待った方がいいかもしれない。

 このような仮想空間がどんどん広がっているのですが、障害をもつ人にとってはどのような影響があるでしょうか? 移動に困難を感じる人は気軽に出かけて友人と遊ぶことが出来るかもしれません。寝たきりで外出できなくても、ショップで買い物をしたり、学校に通ったり、会社に勤めたり出来るようになるかもしれません。事実、セカンドライフ内には学校も会社もあるのです。

 会話はすべてチャットで出来るため耳の聞こえない人にとってもコミュニケーションが取りやすいかもしれません。グラフィックに頼った世界なので、目の見えない人にとっては暮らしにくい世界もしれませんが将来人工網膜などが出来れば、頭の中に直接イメージを取り込めるようになるかもしれません。

 新しい技術が広まるときに、その影響が様々な立場の人に及ぼす影響を全て考慮するのは難しいことだとは思います。ただし、障害をもつユーザーの基本的なニーズに関してはJIS X8341シリーズを始めとした各種のガイドラインを読めば大まかに理解できると思います。新規開発には是非ともこれまでの成果を有効に活用してもらいたいですね。

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