前日に「貧困の終焉」に続き、世界の貧困について考えてみるために「ネクスト・マーケット」を読む。貧困の終焉で主に取り扱っていたのは”極度の貧困”であり、そのような状態から持続的な開発へ移行できるようにサポートするための方策が述べられていた。その先は健全な市場経済に委ねる事が望ましいとされている。
しかし貧困層と呼ばれる1日を2ドル以下で生活する一群は50億人ともいわれている。繰り返すが、彼らが使えるお金は1日に2ドルだ。大した購買力を期待できない彼らに対して、マーケティングで何が出来るのだろう?
そんな疑問を、本書では緻密な論理と、いくつものケーススタディで解き明かしていく。
貧困層に対するマーケットにイノベーションを起こす方法を12のガイドラインにまとめているが、いずれも基本は現地のニーズに合わせた顧客志向の徹底にあり、ユニバーサルデザインの考え方にも近いものがある。これまでの先進国のビジネスのやり方を、そのまま適用しても無駄なのだ。
この現地志向はODA援助などを考える際にも適用していって欲しい。
ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略
posted with amazlet on 06.08.20
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おすすめ度の平均:
久しぶりに骨太な本
常識をくつがえす
MBA必読