【読書】情報インターフェースの構図

 情報デザインに関係する日本語の書籍は、まだまだ数が少ないので見つけると反射的に買ってしまうのだが、これはイイ意味で教科書的な作りです。目新しい情報が少ないので、この分野に関わっている人には物足りなさを感じるものかもしれません。 自分の仕事に直ぐに応用できるようなノウハウ的な作りではないので、特にWebデザイナーの方とかは考えてから購入した方がイイと思います。

情報インターフェースの構図 (日本情報経営学会叢書 1)
高橋 敏朗 久保田 洋志
中央経済社 (2007/07)
売り上げランキング: 338762

【読書】電子自治体の○と×―e‐Japan戦略が残した地方の姿

 月刊e・Govの編集長が書いた本。 随所にちりばめられたダジャレの裏に鋭い突っ込みがあって、自治体の情報化に関する問題点について面白く知ることが出来ます。本文も対話形式だし、この分野に馴染みがない人にお勧め。

 私としては自治体の情報化は大いに賛成なんですけど、現状では無駄なコストが多く、情報化のメリットが十分に得られていないと感じています。行政組織の縦方向への情報化は進んでいるようですが、横断的な繋がりが出来なければ情報化によるメリットは得られないので、ワンストップサービスが早く実現するように期待しています。

電子自治体の○と×―e‐Japan戦略が残した地方の姿
畔上 文昭
技報堂出版 (2006/02)
売り上げランキング: 85983
おすすめ度の平均: 3.5

4 健全な感覚をもった人の本
3 自治体の情報化の現状が分かります

【読書】オランダを知る本

 カンファレンス参加と現地調査を兼ねて毎年海外に行くのだけれど、今年はオランダに行くことになりました。早速、現地の情報を仕入れるために、まずは文献調査。

 今回は地域情報化やスマートホームをテーマに調査に行くため、オランダの社会の仕組みを知る事から始めます。そこで手にしたのが、「オランダモデル」と「オランダを知るための60章」。とちらも同じ著者による本です。

 これまで知らなかったのですが、オランダは非常に進んだ社会モデルを持っており、小国ながら存在感のある国であることが分かります。特にワーキングシェアの制度は、成立前の状況が日本とよく似ているので、日本にも取り入れて欲しいですね。 

オランダモデル―制度疲労なき成熟社会
長坂 寿久
日本経済新聞社 (2000/04)
売り上げランキング: 4278
オランダを知るための60章
長坂 寿久
明石書店 (2007/04)
売り上げランキング: 17069

【読書】ブレイン-マシン・インタフェース最前線―脳と機械をむすぶ革新技術

 脳とコンピューターを接続するブレイン-マシン・インターフェースにの状況についてまとめた本。将来的には再バーグ技術へとつながっていくのだろうけれど、現時点での対象者は主に障害をもつ人への適用である。

 視覚を失った人に対しての人工網膜や、腕を失った人への電動義手など、脳への電子的な情報の入出力を可能にするブレイン-マシン・インターフェースは、既に人工内耳のように実用化されている技術も多く、今後も発展が期待されている。日本国内でも、本書が示すように進んだ技術が多くあるのだが、倫理的な問題から臨床実験を行うことが難しいだろう。確か、人工内耳の研究の時にも、国内ではよい成果をあげていたが臨床実験が出来ずに、研究者が国外へ流出したと聞いたことがある。

 2,006年辺りから、この分野が実用的な研究としてクローズアップされており、アメリカやEUが力を入れてきているので、この辺で技術の全体像を知っておくには手頃な入門書になるだろう。

ブレイン-マシン・インタフェース最前線―脳と機械をむすぶ革新技術
櫻井 芳雄
工業調査会 (2007/06)
売り上げランキング: 43890