ワシントン・非常時のアクセシビリティに関するカンファレンス?3日目

カンファレンス3日目

 前日までの議論がテレビやラジオなどのいわゆる放送を主に扱っていたのに対して、今日のテーマは電話やメールなどの通信の分野について主にプレゼンがありました。

 アメリカでは電気通信事業者に対して障害者に対するサービスが義務づけられているため、前提となる条件が日本とかなり異なるので、その点を考慮に入れて考えなければならないと感じました。

 同時に、同じようなサービスをを実現するにも日本では技術で解決しようとする問題を制度やシステム、そして人力を使って解決しようとするところに異なる姿勢があることを感じました。例えば聾者と聴者の間を取り持つテレホンリレーサービスなどは、このよい例のように思います。

 これは根本にある発想が異なるからなのでしょう。日本では「技術」と「障害者」とのミスマッチングの問題だと捉えるので、それを解決するために技術を改良しようと考えるのです。これに対して障害者の社会参加に問題があると考えれば、その実現方法は技術的な改善だけでなく、自ずと様々な手段が考えられるでしょう。

ワシントン・非常時のアクセシビリティに関するカンファレンス?2日目

 この日からカンファレンス開始。

 会場前のロビーに行くとそこでは手話で会話する人であふれていた。その場のほとんどの人が手話で会話していたため、ざわめきがあっても言葉は聞こえてこない・・・。英語もままならないのにアメリカ手話なんて全く分からないよぅとパニックを起こしかけたところだけれど、ちゃんと聴者もいたので一安心。

会場の様子

 会場内では情報保障のために手話と字幕が完備されていました。上の写真では左手のスクリーンに発表者のスライドが、右手のスクリーンには発表者の喋った言葉が即時に字幕として表示されます。この字幕、事前に入力されていたわけではなく、その場でキー入力していくのです。なんという速さ!!! そして左手のスクリーンの下には発表者がおり、その横には手話通訳者がいます。写真の中央にも通訳者が写っているのですがスペイン語手話だそうです。この他にも聾者が発表する場合には、その手話を読み上げる通訳者もいます。

 リアルタイムで字幕が出るのは、ヒアリングが苦手な日本人にとってもありがたいですね。でもこの会議に海外から参加したのは我々グループだけで、Welcome Speachの際にも遙か日本から来てくれた人がいますと、紹介してもらうほどでした。この手の会議はアメリカでも初めて開かれるものだそうです。会議の出席者は半数が政府関係者で残りが企業関係とNPOスタッフだそうです。

ワシントン・非常時のアクセシビリティに関するカンファレンス?1日目

 緊急時の情報アクセシビリティの問題を扱うコンファレンスに参加するためにワシントンに来ています。

 カンファレンスは明日から始まるので、本日のところは会場となるギャローデット大学の中を散策してきました。この大学、敷地面積こそコンパクトですが聴覚障害者教育では世界に名の知れた有名校なのです。私も前から一度訪ねてみたかったので今回の会議を楽しみにしていました。

ギャローデット大学のチャペルホール キャンパス中心のモール

 宿泊するホテルもキャンパスの中にあり、会議の会場にも使われています。このホテルの素晴らしいところは聴覚障害の人の宿泊を考慮して、様々な工夫が凝らされていることです。

 まず目に付いたのが非常用の警報機で、全てにフラッシュが装備されており音共に光りでも警報を知ることが出来ます。部屋に置いてある電話の傍らにはもちろんTTYが付いてます。枕元の目覚まし時計は振動式で、セットした時間になると音共にバイブレーションで目覚めることが出来ます(写真の丸くて白いモノがバイブ)

警報フラッシュ 振動式目覚まし時計

この他にも様々な工夫が凝らされており、見ているだけでも勉強になる一日でした。

インタラクティブデザイン講座?5日目

1週間あけて、各自の製作も随分進んできた。今日は前半を残った製作にあて、後半に出来た3つの作品を並べてデモンストレーションを行った。

料理がテーマの作品だけにデモンストレーションも、実際に料理を作りながらになった。試しにネギを炒めてみたが、料理に合わせてバッチリ音が出てインタラクティブになった。ネギも旨くて満足。