【読書】〈ユニバーサル〉を創る!―ソーシャル・インクルージョンへ

 昨日はアダプティブ・エンバイロメンツの研究員をしている井上さんが書かれた「〈ユニバーサル〉を創る!―ソーシャル・インクルージョンへ」の出版記念パーティーに参加してきました。

 この本ではインクルージョンを実践されている方々の取り組みが紹介されています。 ここでいうインクルージョンとは「様々な人と同じ社会の中でいっしょに暮らしていくこと」です。何人か知り合いの人も紹介されていたし、パーティーには本の中で紹介されている方々も多く参加されていて、直接話しをすることができました。

 こうしたインクルージョンを支えるものとしてユニバーサルデザインが広まるように、私も頑張りたいと思います。

 井上さんは読売新聞に世界のユニバーサルデザインを紹介する連載もされています。世界のUD : 共生 : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

【読書】ネクスト・マーケット

 前日に「貧困の終焉」に続き、世界の貧困について考えてみるために「ネクスト・マーケット」を読む。貧困の終焉で主に取り扱っていたのは”極度の貧困”であり、そのような状態から持続的な開発へ移行できるようにサポートするための方策が述べられていた。その先は健全な市場経済に委ねる事が望ましいとされている。

 しかし貧困層と呼ばれる1日を2ドル以下で生活する一群は50億人ともいわれている。繰り返すが、彼らが使えるお金は1日に2ドルだ。大した購買力を期待できない彼らに対して、マーケティングで何が出来るのだろう?

 そんな疑問を、本書では緻密な論理と、いくつものケーススタディで解き明かしていく。

 貧困層に対するマーケットにイノベーションを起こす方法を12のガイドラインにまとめているが、いずれも基本は現地のニーズに合わせた顧客志向の徹底にあり、ユニバーサルデザインの考え方にも近いものがある。これまでの先進国のビジネスのやり方を、そのまま適用しても無駄なのだ。

 この現地志向はODA援助などを考える際にも適用していって欲しい。

ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略
C.K.プラハラード スカイライト コンサルティング
英治出版 (2005/09/01)
売り上げランキング: 314
おすすめ度の平均: 4.62

5 久しぶりに骨太な本
5 常識をくつがえす
5 MBA必読

【読書】貧困の終焉

 夏休みなので少し世界の問題について考えてみるために、ジェフリー・サックスの「貧困の終焉」を読んでみた。著者は元ハーバード大学経済学部の教授で、国連ミレニアムプロジェクトのリーダー。

 本書の導入部では、著者が最貧困国の経済立て直しに関わるまでが描かれているが、世界銀行や各国首脳を相手に開発のメリットを説いて大立ち回りをするのだが、これがスリリングで面白い。 半自伝的な前半の中で徐々に形を表してきた「臨床経済学」の考えを、後半はミレニアムプロジェクトという世界的なプロジェクトへと結実させていく。

 構造的に引き起こされた”極度の貧困”は途上国の怠惰で起こるという誤解を解き、それらを解消して、「持続的な開発」の最初の一歩を踏み出すためには先進国の援助が不可欠である。そのコストは先進国のGNPの0.7%に過ぎないこと。そしてテロなどを防ぐための予防戦争に比べれば、遙かにコストが低くメリットが高いことを具体的に示している。これからの開発の方向性を明確に示している本書は、国際的な援助を考える上で重要な指針となるだろう。

貧困の終焉―2025年までに世界を変える
ジェフリー サックス Jeffrey D. Sachs 鈴木 主税 野中 邦子
早川書房 (2006/04)

【読書】脳の右側で描け

 5日間のワークショップが終わり、基本的な絵の描き方を学ぶことが出来ましたが、もう少し練習したいと思い次の書籍を購入しました。
 
脳の右側で描け
脳の右側で描け

posted with amazlet on 06.08.18
ベティ エドワーズ Betty Edwards 北村 孝一
エルテ出版 (2002/02)
売り上げランキング: 3,687
おすすめ度の平均: 4.33

5 感無量
5 意外と知られていない絵の描き方
5 いままで読んだ本の中でもっとも衝撃的な中の一冊

脳の右側で描けワークブック
ベティ エドワーズ Betty Edwards 北村 孝一
エルテ出版 (2003/07)
売り上げランキング: 12,261
おすすめ度の平均: 5

5 まさに実践編

 どちらも今回のワークショップの元になった本です。「能の右側で描け」は読み物で絵の描き方の原理やテクニックを紹介しており、それを補うような形でワークブックで実践します。ワークショップの中でも取り組んだ課題も含まれていますが、異なる題材が使われているので復習にはぴったりの内容です。

 ちなみにこれらの本を参考に独力で絵の描き方を学んだ人はこれまで二人しか会ったことがないと、ワークショップの講師のクリスティンが言っていました。やはりワークショップのような集中して練習できる環境がないと難しいのでしょうね。

【読書】ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

  社長に勧められて読んだのが、この「ハイ・コンセプト」です。ホワイトカラーの仕事がどんどんインドや中国に流出していくなか、この流れに打ち勝っていくために必要なものは何かを説いています。ぶっちゃけた話し、既存の仕事は全て定型化されていくので、常に「新しいこと」を考えて行くしかないよと書いてあります。そして、考えていくための具体的なノウハウや感受性を磨く方法にもあれこれ触れられていて、それらが結構楽しく読めます。

 直ぐに試せる方法もあるのですが、一番興味を引いたのは右脳を働かせて絵を描くワークショップに、著者が参加したときの体験談でした。このワークショップ、以前にも他で聞いたこともあってとても参加したくなり、早速Googleで検索するとお盆に麻布で開かれるというではないですか! 直ぐに申し込んできました。

 明日から5日間ワークショップに参加してきます。

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
ダニエル・ピンク 大前 研一
三笠書房 (2006/05/08)