Google SketchUp と まちづくり

 最近Googleに買収され、無償公開されるようになったSketchUPという3Dモデリングツールがある。このツール、とにかく簡単にモデリングできるのがウリで、まるでスケッチを描くように直感的に3次元モデルを作成できるのだそうだ。

 更にもう一つの大きな魅力は、作成した3DモデルをGISであるGoogle Earth上に合成して表示できるのだ。建築モデルを描いて、それを航空写真の上に貼り付けることが出来る。航空写真は無理だが、3次元モデルなので斜めから建物をみて、周りの景観とマッチするかなどが確かめることが出来るのである。

 街作りのワークショップなどでは、様々な立場の人の意見を聞くことが必要になる。建築計画の妥当性を推し量るために、紙のモデルを作ったり、実際の建築現場に出向くなどの作業が必要であった。

 このソフトでは、そのような将来を予測検証する作業をずいぶんと楽にしてくれるだろう。

 

SketchUpの魅力に迫る – 3Dモデリングにスケッチ工程を生み出した意義 http://journal.mycom.co.jp/articles/2006/05/30/sketchup/003.html

 

まちづくりデザインゲーム
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インクルーシブデザイン・ワークショップ 3日目

 ワークショップ最終日。

この日は、午前中に昨日考えたアイデアを可視化する作業を行う。パソコンを持っていたのが私だけなので、パワーポイントでアイデアをまとめていく。他の人は紙でモックアップを作っていた。大体のスライドは昨夜のうちにホテルで作ってしまっていたので、後はメンバーの考えを反映していく作業だけだ。

午後には、一般の来場者も交えたアイデアの発表会。我々のグループは3番目で、順番待ちの間にもパワポを修正。おかげで発表は上々。ただ、大きな賞を逃したの残念だ。自己分析すれば、アイデアはスマートだったが少々小粒だったからかもしれない。

発表の様子

京都新聞 – インクルーシブデザイン
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006030300187&genre=G1&area=K10

また、3月24日には今回のワークショップの報告も含めたフォーラムが開かれる予定だそうだ。

「インクルーシブデザイン・フォーラム 人間の可能性を広げるデザインの未来」

 主催・問い合わせ先 財団法人たんぽぽの家
Tel:0742-43-7055 Fax:0742-49-5501 Email:tanpopo@popo.or.jp

日時・場所・交通機関
3/24(金) [第1部]10:30~12:00(受付10:00~) [第2部]13:30~17:40(受付12:00~)
国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟101 (小田急線参宮橋駅より徒歩約7分)

詳細は次のサイトで確認してください。 http://popo.or.jp/new/detail.php?cid=53

更に10月には、京都で開催される国際ユニヴァーサルデザイン会議の時に、今回のようなワークショップを行うとのこと。次回は48時間耐久デザイン・コンペだそうで、厳しい戦いになりそうだ。これも出来たら参加してみたい。

インクルーシブデザイン・ワークショップ 2日目

ワークショップ二日目。この日は朝から一般の方の家庭に伺って、半日過ごし生活の中での不便さを発見する作業に取りかかった。

 私たちのグループは、京都市内に住んでらっしゃる視覚障害の方のおうちに行くことに・・・。生活の中での発見ということでお掃除を手伝ったり、お茶をいれたり、買い物に出かけるなど日常生活でよくある場面を一緒に体験する事で、そこに潜む問題を探るのだ。

 問題発見の作業の中で、特に我々が着目したのはコーヒーを淹れてもらうときの不便さだ。いつもドリップバックを麦茶のパックのようにそのままヤカンに入れて煮出してコーヒーを作られているとのこと。電気ポットからドリップバックの注ぎ口にお湯を入れるのは難しいので、この方法で淹れているそうなのだ。そこで、我々のグループではこの問題を解決することに・・・。

 ワークショップの様子 ドリップバックの改良のための試飲

 午後、ワークショップの会場に戻ると、直ぐに半日の行動から得たキーワードをまとめて発表する作業を行い、続いてそれらの問題を解決するための具体的なアイデアを練ることに。我々はドリップバックを購入してきて、実際にお茶を飲みながら優雅にアイデアを考えたのだった・・・。

インクルーシブデザイン・ワークショップ 1日目

 京都で開催されたインクルーシブデザイン・ワークショップに参加してきた。これは財団法人たんぽぽの家と協力し、インクルーシブデザインを推進しているジュリア・ カセムさん(英国ロイヤルカレッジ・オブ・ アート)を招いて行われるもので、3日間にわたるワークショップを通じてインクルーシブデザインの考え方を学ぶものだ。

 初日の今日は講師のカセムさんからインクルーシブデザインの考え方を、たくさんのスライドを見ながら説明してもらう。いちばんの興味はインクルーシブデザインとユニバーサルデザインの違いだ。

 ユニバーサルデザインはアメリカと日本でよく使われる言葉で、インクルーシブデザインはイギリスなどヨーロッパでよく使われている言葉だ。どちらも多くの人にとって使いやすいデザインの概念である。カセムさんによれば両者のメソドロジーは同じだそうだ。違いはヨーロッパとアメリカの言語的なセンスの違いだそうだ。ヨーロッパの人にとって、「ユニバーサル」という言葉はとても仰々しい言葉なのだそうだ。彼らは人生の中でユニバーサルなモノなんて何も無いと思っているので、しっくり来ないとのこと。確かに私もユニバーサルデザインて「宇宙のデザイン」ですか? と聞かれたこともあるから、その感覚は分からなくもない。

ワークショップの様子

 講義の合間には必ず考える時間が用意されていて、その都度よいデザインとは何かを考えさせられる。この自分で考えるというのがワークショップで重要なんだな。自分で講義するとつい教えることに一生懸命になってしまって、そこまでたどり着けないことが多い。見習おう。

光の中へ―視覚障害者の美術館・博物館アクセス
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TANITA:バイブレーション付きタイマー

 アマゾンをぶらぶら見ていて発見。
 バイブレーション付きのタイマーを一般製品の中に見つけるなんて! ちょっと嬉しくなってしまった。写真の通りデザインもなかなか美しく、違和感を感じない。これぞユニバーサルデザインだ。
 なぜバイブレーション付きのキッチンタイマーがユニバーサルデザインなのかというと、聴覚障害の方にとても便利だからである。ヤカンを火にかけたのを忘れてしまっても、このタイマーを湯が沸く頃の時間に仕掛けておけばバイブで知らせてくれる。同様の製品は福祉機器として見たことはあるが、これは一般製品だ。きっと、寝ている赤ちゃんの横でも使えるようにというニーズに注目して開発されたのだろう。
 障害に注目するのではなく、ニーズに注目した開発がユニバーサルデザインの成功の鍵なのだ。
 もう一つ嬉しいことは、この製品のカスタマーレビューにある。そう、時間の感覚を博しにくい自閉症のお子さんがに便利に使っているという書き込みだ。タイマーにバイブを付けるだけでみんながこんなに幸せになれるなんて、デザインて楽しいね。
 
 
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5 学習に使うならこれです
5 バイブレーターが付いていて、とても便利です。
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