iPhoneで動くコミュニケーションエイド

 発話ができなかったり、体を動かす事ができないなどの身体的な理由や、自閉症などが理由でコミュニケーションがうまくできない人のための支援機器を総称してコミュニケーションエイドと言いますが、それをiPhoneアプリで実現したのが、このソフト。

Communication on the Go for iPhone and iPod touch
“Communication on the Go for iPhone and iPod touch” Communication on the Go for iPhone and iPod touch

  以前からPDAを利用して同様の機能を実現したコミュニケーションエイドが発売されていたが、iPhoneのように入手が容易な端末で利用できると、選択肢が広がりますね。

 実装はされていないけれど、iPhoneならではGPS機能や加速度センサを組み合わせると、もっと様々な入力デバイスとして使えるかもしれない。

 一方日本ではこのようなコミュニケーションエイドの機能を、ニンテンドーDSで実現できるソフトが開発中らしい。DSiのカメラ機能を利用して、写真を取り込んだりかなり期待できそう。iPhoneよりお手軽ですね。

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【報告】発達障害支援研究会-第1回勉強会

 所沢にある国立身体障害者リハビリテーションセンターで行われた発達障害支援研究会第1回勉強会に参加してきた。以前から学習障害の人の支援機器開発に興味がありこの会にも入ったのだが、会計は企業の人がいいよねぇというよく分からないロジックで、会計幹事を担当することになってしまった。今回はお金が発生しなかったが、次回以降は会計の仕事が増えるかもしれません。

 肝心の内容ですが、非常に興味深いもので、所沢まで行ったかいがありました。

  • 開催日:2009年5月23日(土曜日)
  • 場所:国立障害者リハビリテーションセンタ
  • 時間:13時?16時
  • 内容:
    1. 発達障害について (30分)
      1. 医学的な定義など
      2. 行政における発達障害とは
    2. 発達障害の各ライフステージにおける特徴と課題 (40分)
      1. 乳幼児期
      2. 学齢期
      3. 青年期以降
    3. 発達障害情報センター・発達障害教育情報センターにおける情報提供について (20分)
    4. ヤンセンファーマ社による「バーチャルAD/HD」の紹介(5分)
    5. LD,ADHDの心理的疑似体験プログラムの実施と発達障害における支援機器の在り方(35分)
    6. 質疑及びディスカッション(30分)
    7. まとめ

 特に興味深かったのが、4と5です。

 ヤンセンファーマの「バーチャルAD/HD」は、次の写真のように、没入型バーチャルリアリティを提示する機器を用いて、集中できない子どもの視線の動きを体験するものです。教室の中で黒板を見ようとしても、周りのものに注意が向いてしまい視線が周囲に動いてしまいます。頭を動かして、視線を黒板に戻そうとして、強制的に視線が引き戻されてしまい、結果集中できなかったり、多動になってしまうということが体験できます。

ADHDの疑似体験ツール

 もう1つは学習障害の疑似体験ツールでした。こちらはパワーポイントによるスライドと、質問紙の組み合わせで行われるものです。こちらも以前から体験したかったもので、非常に興味深いものでした。ただし、この日は時間の関係で、短縮版で行われたのですが、本番は2?3時間かかるものなので、いずれ正式なコースを体験したいと思います。

【報告】UAIセミナー「Webアクセシビリティ@秋葉原」

 22日、秋葉原で行われたUAIセミナー「Webアクセシビリティ@秋葉原」に参加してきた。今日の話題の中心はこの秋に改訂される予定のJIS X8341-3:2009について。

 しかし、私の今日の役目はこのセミナーを情報保障の一環として、会場まで来られない人にWeb中継すること。これには無料でストリーミング放送を利用できる「Stickam」のサービスを使って実施した。このセッティングに苦労したのは、以前のエントリーで書いたとおり。苦労しただけあって、会場では一発で接続することができた。

 これまで何度かWebカメラを使って中継したことがあったが、ビデオカメラを使ったのは初めて。画質は圧縮してしまうので、大差はない印象。しかし、マイクの性能はビデオカメラに内蔵しているものの方が、圧倒的によいので、会場の声をよりキャッチできた。

 最終的には10人の人がこの中継を見てくれた。今後のセミナーで、またWeb中継を実施しするかどうかはまだ分からないが、個人が手軽にブロードキャストが出来るようになった時代に、これらの動画にどうやって情報保障をしていくかというのは、今後の大きな課題だと思う。

 この日は動画の配信と同時に、パソコン要約筆記のテキストをSkypeチャットで送信するという実験も試みられました。パソコン要約筆記のテキストに対しては、著作権の問題が含まれており、そのままブロードキャストするためには、クリアしなければならないことがあり、今回は特定の人に対して字幕を配信するために、Skype経由での配信になりました。こちらも講演冒頭では動作しませんでしたが、中盤から中継が可能になりました。Web中継と字幕を同時に表示すると、講演の内容をかなり正確に伝えることができます。UAIセミナーでは、事前に講演用のスライドをWebで公開しているので、小さな画面では読みにくい文字も、公開されている資料を確認することで情報を補えます。

 このテーマについては、しばらく様々な手法を試して、ノウハウを確立したいと思います。

【読書】決めない会議

 先日のワールド・カフェでお会いした香取さんの新著、「決めない会議」を早速読んでみた。

 文字が大きく、割と薄めなのでさっと読める本だが、要点がシンプルにまとまっていて充実した内容になっている。これを読めば「ホール・システム・アプローチ」の全体像が理解できるようになっている。これまで様々なワークショップに参加してきたが、それらの意図がつながって見えるようになった。

 「決めない会議」という題名は非常に逆説的で、本当は、自然に決まっていく会議のことが書かれている。個々人のアイデアが反響し合い、有機的な結合を果たして、まとまっていく。本書の中では、そのような1つの大きなシステムとして組織が動くためのプロセスや、場作りについて、本当にシンプルに(大事なところだけ)書かれている。

 皆が下を向いてしまい閉塞感を感じてうるような時代、こんな自由な場を作ることで、新しいアイデアが生まれてくるのだと思う。

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【メモ】Stickamライブ中継の準備

 5月22日に開催されるUAIセミナーをWebを使ってライブ中継する予定です。ライブのエンジニアを担当することになったので、ビデオカメラやキャプチャーカードなどの準備を進めているのですが、利用予定のWebサービス「Stickam」に接続するビデオキャプチャーの相性が合わず、なかなかこれ!といった機材が用意できない。

 当日中継に使うのはLet’s Note CF-T7。ノートとはいえCore2 Duo1G。メモリも3Gあるとくれば、そこそこの性能だろう。これを会場の無線LANでネット接続する。ビデオキャプチャーとして、まずはビデオキャプチャの定番のデジ造を試す。

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 取りあえず写るが、画面サイズが変だ。そこで、ManyCamという、デスクトップやビデオ信号を取り込んでエフェクトをかけ、Webカメラの出力して取り出せるソフトを使う。が、ManyCamがデジ造を認識しない。ShareWareで、もっと高機能なWebCamMax を試すと今度はバッチリ写る。自分をモデルにして、キャプチャしてみるとアレレ、ブロックノイズが発生してモザイクをかけたような画面に。

 取りあえず写ったので、次は音声の方を認識させることに、Vistaが悪いのかもしれないという書き込みがWebにあったので、XPマシンに入れてみると、設定メニューにデジ造の音声デバイスが表示されるようになったが、やっぱり音が出ない。仕方がないので、音声はノートのマイク端子に。でもビデオの音声出力はラインなので、そのままだと音声が割れてしまう。仕方なく近所のホームセンターでラインをマイクに変換する抵抗入りのケーブルを買ってきた。これでまともに音声が聞こえるようになった。

 音は比較的よく聞こえるので、画像をもう少しマシにしたい。次の手段として、ノートPCにIEEE1394のカードを挿し、DV端子で繋げてみた。うーん、デジ造よりもキレイな画像だ。それでも、画面内で動くとブロックノイズが出て、またモザイクになってしまう。

 いろいろと設定を変えているうちに、ビデオの解像度を下げるとブロックノイズの発生が抑えられることに気がついた。どうやらWeb中継に使うには、ビデオのソースが大きすぎたようだ。高解像度を中解像度に落とすと、ブロックノイズがだいぶ押さえられることが分かった。明日は、この設定で望むことにしよう。

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